チョウの決意

それから数日後、スタン達が組み立てていた山小屋がとうとう出来上がりました。仲間達は完成をとても喜んでいました。そして、仲間の分も頑張ってくれたスタンに何度もお礼を言いました。

小屋が出来上がると、今度はハリー達が患者を一人ずつテントから運び出して、小屋の奥の方から順番に降ろしてあげるのでした。患者達はずっと冷たいテントの中にいたので、新しく出来た木の床に敷かれた布の上はとても温かくて、誰もが嬉しそうな顔をしていました。

そこへチョウがやってきました。彼はスタンとハリーの方を見てこう言いました。


「みんな聞いてくれ。俺はこの小屋が出来上がった事を大変嬉しく思う。それもこれもみんな、ここに集う同志達、そしてこの二人の勇気ある行動のおかげだと思っている。我々はこの二人を同志として改めて迎え入れたい。そして、この二人は我々の希望だ。俺はもう一度あのノースフロンティアの平和の為に、ヤツらと戦う事を決めた。これ以上犠牲者を増やすわけにはいかない。同志達よ。俺はお前達一人一人を誇りに思う。俺一人では出来なかった事をお前達はここまで叶えてくれた。そんなお前達の為にも、俺はこの二人と北へ向かおうと思う。心配するな。俺は必ず帰ってくる。それまでここをよろしく頼むぞ。」


突然のチョウの言葉に、みんなは少し戸惑いましたが、自分達の為に戦いに向かうという彼の想いはみんなに伝わっていました。そして、スタンとハリーはこの時、みんなの願いは自分達に託されたことを深く受け止めました。そしてスタンはこう言いました。


「チョウ、あんたの仲間達への気持ちはよくわかった。オレも同じ気持ちだよ。みんながそれを望むなら、オレはあんたと共にヤツらと戦うつもりさ。これ以上犠牲者を増やすわけにはいかないからな。」


そうして三人は大喧嘩を止める為、ノースフロンティアへと旅立つ準備を始めました。

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