第8話 知らない男子が怖い
学校に着くと私の席には知らない男子が座ってた。
そっか、席替えしたんだっけと思い出した。
元の席から後ろの席に座った。
前には見知らぬ男子が座ってた。
多分、彼が担任の言う転校生なのだろう。
彼は私が後ろに座ると会釈をして言った。
『宮北大地です。天馬(てんば)高校から来ました。よろしくお願いします。』
彼は屈託の無い笑顔でこちらを見た。
それが私にとって強くバツが付いた腕を苦しめた。
私にはない楽しさも笑いさえ持っていて羨ましく感じた。
私は彼を見つめて言った。
『工藤春です。私には何も言わないで下さい。あなたは私にとって毒だから。』
彼は何を言っているかわからないようだった。
続けて私は言った。
『話したくないの。お願いだから、他の人と話して。』
彼は悲しそうだった。
そして、彼は前を向き他の生徒と話す姿を見て私は安堵した。
高校3年の春に転校してきた宮北大地くんを周りは歓迎している様子はなかったらしい。
それもそのはずだ。
大学を目指すライバルが1人増えただけだったからだ。
でも、周りが歓迎しないのに彼は明るく周りに気配りして仲良くなっているのを見るときっと、彼には天性の周りを明るくさせる才能があるのだろう。
だけど、私は彼とは一切関わろうとは思わなかった。
だって、彼といると何もかもがこれでいいのだろうかと考えてしまうからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます