第14話 花粉症と古い食べ物

「へぇぇっくしんっ!!」

「おにぃ。コロナウイルス感染症か?!」

「お前は物騒か。違うわ」


「じゃ、インフルエンザ?」

「それも違う。花粉症だよ、へぇぇっくしっ」

「なんだ、そんなもんか。まだ2月なのに早いね」


「年明けからずっとこんな感じなんだ、ぐすっ。病気というにはナンだけど、これはこれでけっこう辛いんだよ。お前はならないのか?」

「うん、まだ大丈夫みたい」


「そのうちお前もなるだろうな」

「うん、なるだろうね」

「断言した?! なんか予兆でもあるんか?」


「だって花粉症の罹患率って、だいた40%ぐらいでしょ」

「いろんな統計があるが、実感的にはそのぐらいだろうなぁ」

「それが50%超えたら、花粉症に私はなる!」

「どこかの海賊みたいなセリフにするな。それ、全然カッコ良くないからな」


「なんで50%なんだよ、って聞いてよ」

「もう分かっちゃったからツッコまない」

「ちっ」


「そんなことはいいけど、腹減った。なんか作ってくれよ」

「休みの日ぐらい休ませてよ」

「そうだけど。なんとかなりませんかね」


「じゃ、カッパ寿司行く?」

「しらべのおごり?」

「んなわけがないだろが、ばしっ」


「痛たたた。ですよね……。俺、もうお金がないから言ってんだが」

「しょうがないなぁ。なんか探してみる」

「おう、頼んだぞ」


 しばらくして。


「おにぃ。そういえば日清焼きそばがあったことを思い出した」

「おお、それはいい……思い出した? それ、どこにあった?」

「私の部屋の押し入れ」


「おいおい。どうしてそんなところに?」

「さぁ。それが良く思い出せなくて」

「賞味期限、大丈夫か?」


「えっと。3年ぐらい前」

「古いな、おい!」

「に見たときに5年ぐらい期限が切れてた記憶が」

「捨てろ!!」


 8年も前のやつを食わすつもりだったのかよ。まったく、妹なんてろくなもんじゃねぇ!


「現代科学で処理すれば(チンすれば)大丈夫じゃないかなぁ」

「とある科学の無謀作戦やめろ。俺を殺す気か!」

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