竜人族の族長として生まれた双子。兄は生物学に強く興味を持ち、次々と生活の役に立つ生物を生み出していく。関心事に恵まれなかった弟は次期族長として粛々と勉学に励む日々。
だがある日、兄の作った生物が集落に被害を与えたことにより、仲睦まじかった兄弟はすれ違っていく。心の溝はいつしか兄を魔王へと変え、世界は『平等』という名の暴力に支配されていく――。
プロローグということで、世界観の設定がしっかりと明記されていてわかりやすかったです。兄が生み出す生物はユーモラスでありながら邪悪。でもそこが良い。世界が容赦なく蹂躙されていく様は、これから立ち向かう弟の前に大きな困難として立ちはだかるでしょう。
重厚なプロローグから始まる物語の行く末をぜひまた体感したいです。