第4話 北<1>

「先帰ってていいよ」


これは最近使う言葉だ。

「なんか最近毎日じゃない?

まあ理由は予想できるけど。」

智子はうるさい。予想できるなら黙ってくれていればいいのに。

全く気が利かない。

だけど私は上機嫌だ。

あなたを見つけたから。

誰もいない中庭。

木陰にあなたがいる。

私はウサギを見ているだけだから!

「また来たの?

そんなに兎が好き?

それとも僕に用があるのかな?」

????????????????????????????????????

ーエラーエラー思考停止中ー

その場に立ち尽くすことしかできない。

「ごめん、兎との時間を邪魔しちゃって。

僕に構わずじっくり見ていって、

僕のものじゃないけど」

「あっ、いや、その、全然大丈夫」

ウサギは臭い。

いや、臭いと思う。

だって私は吸ってでいないのだから。

木陰で絵を描く、

ミステリアスな雰囲気の、

美しい美しい北宮君将来の彼しか吸っていないから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る