弱小領主生存譚

第12話 10歳③

　この4年間、私は非常に努力をして、修行を続け、自分の未来により広い道を築くことを望んでだ。様々な知識を研究し、自分の能力と素質を向上させるために、様々な方法を試した。大半の時間をトレーニングと実践に費やし、身体的な素質や意識の面でも、常に自分の限界を超えるようとした。独立したあと、より良い選択肢を追求するために、痛みや苦難を耐え忍び、不断の努力と犠牲によって自分を高めて、この乱世で生き残れることを目指す。

　まず、私は体の発育に影響がない範囲で、トレーニングを始め、体力を強化した。

　毎日ランニング、重量トレーニング、ストレッチトレーニングを行い、持久力と力を鍛えるだけでなく、柔軟性と協調性も高めることができた。

　それ以外にも、私の食生活も変化した。父親と兄たちと同様に、私の食卓にも肉が加わった。この異世界の住民も、修行において、タンパク質の摂取が身体の発育と強化に非常に重要であることに気づいているようだ。

　しかし、私は肉のタンパク質の摂取だけでなく、他のタンパク質、特に乳製品のタンパク質に注目した。この四年間、父親の領地視察や他の領主への訪問に付き纏い、ようやく牛乳に近いものを産出する家畜に出会った。その後、父親を説得し、屋敷の近くに牧場を立てった。今では三食牛乳付きだ。

　まぁ、家畜の買い付け費、牧場の建築費、飼料費は将来独立を支援するための資金から天引きされたけど。

　これにより、将来の修行のための基礎を築くだけでなく、より速く実力を向上させ、将来の挑戦に対応する準備ができた。

　自分の戦闘スキルを向上させるため、父親と兄たちが行っている騎士の戦闘トレーニングにも参加しました。この過程で、槍、剣、乗馬などの多くの戦闘技術を学びました。

　なぜ、一般兵士に混ざって、基礎から始めないかって？

　それは単純なことですよ、一対一では相手にならないからです。たとえ『命の種』を覚醒していなくても、『命の力』を使える子供であれば、一般的な成人兵士では到底相手に出来ません、それが十数年鍛えられたとしても、です。その場合、ただただ時間を浪費するだけです。複数の人に囲まれても、身のこなしを活かして窮地を脱することができる。

　ホフマン家の戦闘トレーニングは、対抗、制御、協調の3つに分かれている。

　対抗トレーニングでは、自分自身の極限を引き出し、打撃に耐える能力を高めることが重要です。このトレーニングでは、全身全霊で攻撃し、後退しないように努力する必要がある。対抗を通して、自分自身の進歩を感じ、自己の力を不断に向上させることができる。

　このトレーニングでは、毎回父親や兄たちと全力で打ち合わなければならない。

　もちろん、彼らは自分の力を制御し、毎回私よりも強く、私自身の限界をよりよく理解し、打撃耐性を高めるために、徐々に力を増していきます。このプロセスで、1回の攻撃で自分がいくつの全力攻撃を行えるか、どのくらいの時間で回復できるか、次に何回全力攻撃を行えるか、そして1日に何回の全力攻撃を行えるかを理解することが徐々にできるようになる。

　このトレーニングには多くの時間が必要であり、私はまだ『命の種』を凝集させていないため、身体の疲れが自動的に回復することはできず、自分でゆっくりと回復する必要があるからだ。

　同時に、私は戦いの中でどのようにより効果的に衝撃を受け止めるか、相手の次の動きにより速やかに反応するか、倒れた時にどのようにして落下による傷害を軽減するかを体感し、学習した。

　この過程で、最初は一撃ですぐに倒れ、痛みで話すことすらできなくなるところから始まり、数十回の攻撃を耐えることができ、それでも剣をしっかり握りしめることができるようになった。

　制御のトレーニングでは、私は戦いの中で自分の力を制御し、力の過度使用や力の不足を避けることを学ばなければならない。『命の力』の加持により、騎士の力の限界は一般人よりもはるかに高くなっている。力をうまくコントロールできないと、取り返しのつかない結果を引き起こす可能性もあり得る。

　同時に、戦闘中は常に全力攻撃を使用することはできず、敵の実力に応じて力量を調整することを覚えることも必要不可欠。それは過度な疲労が戦闘効果に影響を与えないようにするためだ。

　例えば、敵の実力が1であると仮定した場合、何故無駄な労力を費やして10の力で戦わなければならない？非効率的だろ。

　トレーニング方法は予想外かもしれませんが、刃のついた剣を持って、様々な硬さや素材のものを切り続けること。

　木の柱やかかし、そして柔らかい果物まで、破壊することなく切り続ける。これは簡単に見えるかもしれませんが、実際には非常に困難で。トレーニング中、自分の力は前日のトレーニングによって変化し、時には強くなり、時には弱くなりこともなる。うまく力をコントロールできても、剣を細かくコントロールするのは難しく、物を傷つけることがないように注意することも非常に高い技量が求められる。

　最後は協調の訓練。この訓練は、騎士が身体の各部分をより効率的に利用し、力の浪費を減らすことができるようにするためのもの。

　この段階では、騎士は自分の身体をより正確にコントロールすることを学び、すべての動作をより優雅で流れるようにする。

　さらに、この段階では、反応速度と判断力を向上させ、戦闘中の突発的な状況によりよく対処できるようにすることをサポートしてくれる。この訓練の過程は比較的簡単ですが、レベル3に到達するためには、地道な練習を長期的に続けることが必要になってくる。

　話を少しずらすが、ここで騎士のレベルについて触れておきたい。

　レベル1は、『命の種』を凝縮し、一般人よりも強力な力と回復力を得ることが出来る。

　レベル2では、『命の力』を全身に意識的に覆い、以前よりも強力な力と打撃に対する耐性を持つことができる。

　そしてレベル3、つまり父や兄たちが現在いるレベルでは、無意識で『命の力』を全身に覆うことができ、見えないような鎧を着ているかのような感じかな。

　対抗的なトレーニングでの成果は芳しくなかったけれども、制御や調和の面では、私はある才能を持っているようだった。

　父親が求めるレベルにすぐに達することができたため、父親は私の未来に対してある種の期待を抱いた。

　しかし、これらのトレーニングを完了するたびに、私は何か神秘的な力が私を助けて、より良くやっているように感じ取った。

　父親にこの質問を投げかけたことがあるが、答えられなっかた。

　父親は、自分自身がこのような経験をしたことがなく、家族の伝承にも関連する記録がないことを告げた。ただ、彼は私がこの分野で異なる天賦を持っているだろうと推測した。

　この力の起源がわからないということに、不安や心配を感じたことはない。むしろ、これは私が訓練でより良い成果を収めることができる優位性かもしれないと思った。今後のトレーニングで、この潜在的な力をより発掘して活用できることを願っている。