弱小領主生存譚

第7話 初日①

　今日は訓練の初日だ。

　家族と一緒に朝食を食べた後、父親について行って、訓練場に向かう準備をした。

　屋敷の正門から出て左に曲がり、500メートルまっすぐのところに今日の目的地があった。

　訓練場の入口付近に近づくと、

「パッシャ！」「はっ！」

　武器がぶつかる音とともに叫び声が響いてきた。

　中に入って、訓練場の全貌が良く見える。

　訓練場は長さ1000メートル、幅500メートルの広々とした平坦な場所。

　五つの的がコーナーに配置され、弓兵が訓練している様子が伺える。また、兵士たちの力量トレーニングに使われるであろう重量用の木の杭も場所の一隅に置かれている。

　さらに、訓練場内には二つの兵舎と一つの馬小屋があり、衛兵たちが次々と出てくる。そして、兵舎のすぐ横に武器庫があり、様々な武器や防具が収納されている。その隣には二つの倉庫があり、部隊の栄養補給や備品が保管されているらしい。

　50人以上の兵士たちが、広大な訓練場で熱心に訓練していた。彼らは軽装か皮の鎧を着用しており、防具がカバーしていない個所から鍛え抜かれた筋肉と強靭な体がはみ出している。手には安上がりの長剣や槍を持ち、教官の指示の元で各種の訓練行っている。

　太陽は上から降り注ぎ、訓練場全体を照らし、兵士たちの呼吸音や武器の衝突音が漂っている。このような環境で、彼らは全力を尽くし、自分たちの技術を磨き、将来の戦いに備えている。

　へ～、父親にこんなも気概があるなんて意外～。50人以上の領軍を維持しているなんて。

　この種の部隊は、軍隊と警察の役割を兼ね備えており、戦時には領主に従って前線に出るだけでなく、平時には領地の治安を守っている。領主は武器、防具、食料を全て提供するだけでなく、報酬も支払わなければならない。

　ホフマン男爵領の財政収入が低くないにも関わらず、一家が他の貴族のように豊かな暮らしをしていないにも納得した。

　一般的に、男爵領は20〜30人程度の部隊を維持している。更に多くの部隊が必要な場合は、農奴から若い男性を募集すれば済む話だ。多くの貴族は、戦場で対してい役に立たない一般兵士のために生活水準を落としたくはないだろうし。

　まあ、戦場に出たら、直ぐに後悔すると思うけど。

　私があれやこれやと考えている間に、父親は訓練中の教官を横に呼びだした。

　父親がいくつか指示した後、教官は小走りで武器庫に向かい、しばらくして、木製の両刃剣と案山子を持って戻ってきた。

　教官は木剣を父親に渡し、案山子を設置した後、部隊の訓練に戻った。

　父親は木剣を手に稲妻人のそばまで歩いて行き。

　私の方を向き、説明し始めました。

「ハーランド、今日はお前の初めての修行だ。

　まず、騎士の修行の手順を知る必要がある。

　まず最初に、身体能力を強化する必要がある。

　なぜなら、騎士は『命の種』を凝縮することで覚醒する必要があり、『命の種』の質が高ければ高いほど、提供できる『命の力』も多くなり、修行の難易度も低くなるからだ。

　また、身体能力が高いほど、凝縮できる『命の力』も多くなり、『命の種』の質も高くなる。

　したがって、身体能力を強化することで、『命の力』の総量を増やし、『命の種』の質を向上させることができる。

　これは、騎士の修行にとって非常に重要なことで、一人の騎士の限界を決定するからだ。一族の伝承にも、『命の力』が多ければ多いほど、高品質な『命の種』が凝縮できることが示されている。

　よって、修行の前には、まず身体能力を強化して、『命の種』を凝縮する成功率を高める必要がある」

「お父さん、どうやったら身体能力を強くできるの？」

「ふむ。身体を鍛えるのが最も一般的な方法だ。

　身長が高く、筋肉が強いほど、『命の力』も多くなる。また、食事も非常に重要だ。特殊な食材を食べると、永久的に『命の力』の総量を増やすことができると聞いている。

　しかし、そのような食材は滅多に手に入らなん。人工的に栽培されているとしても、王室や教会、大貴族の手によって支配されていることが多い。もう一つの方法は、強力な魔獣と契約することだが、この方法はあまり現実味がない。」

「なぜでしょうか？」

「まず第一に、騎士が強力な魔獣を従えることができるようになるのは、通常は騎士になった後だ。

　次に、仮に他人の助けを借りて、強力な魔獣と契約できたとしても、魔獣が従うとは限りらん。奴らのモットーは『弱肉強食』と『実力至上』だからな。戦場で魔獣が小さな小細工をしただけで、契約者が危機に晒されるわ。

　魔獣と契約するもう一つ方法は、幼獣から育てることだ。しかし、この方法も問題だらけだ。

　人工的に繁殖された魔獣は世代を重ねるごとに段々弱体化する。野生の幼獣を見つけることも難しい。ほとんどの魔獣の子は、独立するまで親のそばにいるため、密猟者が強力な魔獣と出会ったら最後、大抵地産地消の肥料になることが多い」

　まぁ、そりゃそうでしょう。自分の子を狙う不届き者だもん。