第16話 不遇なボス敵

砂漠に緑のサソリが歩いていた。


「はぁ、今日もなんだか悪い予感がするよ。もしかすると砂の中から建物が2つ出てくるかもしれn」


ズドカァァァァァァァァァァァァァァンン

↑同じ効果音


彼の予言どおり、砂の中から宿屋とファミレスが出てきた。


「いてぇぇ……ほーら、出てきt……」


サソリは思い止まった。今彼の背後には2つの建物がある。振り向いて確認したいところだが、もしその建物に強盗がいたら…。


「(…そして、その強盗と目が合っちゃったら、……………どーーーーーしよーーーーーーーーー!!!!!!怖くて振り向かないよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

「いてて、お、サソリだ。もしかしてぶつかったか?悪かったな」


ミノタウロスが出てきた。他にも宿屋の中に避難していた奴らが出てきた。


「結局みちびキーなかったね」

「そうだな。……どういうことなんだ」

「(誰か出てきた!みちびキー⁉︎…も、もしかして盗賊⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎ど、どうしよう……もし捕まったら……み、身代金なんて払えないよぉぉぉぉぉぉ!おとっつぁんが言ってた!人を見たら殺人鬼だと思えって。サソリみたいな非力な種族が、ほ、他のツワモノ共に勝てるわけないよ!に、逃げなきゃ。で、でも、も、もし逃げた先に流砂があったら⁉︎…おとっつぁん、た、助けて〜〜〜〜!!!!!!)」

「いやセリフ長っ」

「人のセリフに干渉しないであげて」


ロックがツッコんだ。サソリはもっと不安になった。


「(や、ヤバいツッコまれた。うまく返さないと、つ、捕まえられる!どうしよう、うちは貧乏でテレビがないから、ボケとツッコミのやり方なんて知らない…。でももし失敗したら……ああ、ダメだぁおしまいだぁ。今までありがとうおとっつぁん。こんな陰気で心配性で友達もいない僕を、1人で育ててくれて………ほ、本当に、ぐっ、本当に!…ぐっ……ぐっぐっぐっ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんん!!!!!!」

「なんか突然泣き出したぞ⁉︎」

「大丈夫?」


モコローが駆け寄ってきた。サソリはさらにビビる!!!!!!


「(ひっっっ!来た!僕はこの歳までしか……ぐっ!……も、もうダメだぁ…)」

「だ、大丈夫?………」


若干呆れたようにモコローは聞いた。


「いや、はい、その、えっと、はい」

「えぇ………いや、なんでもない。ごめんね」

「(あのモコローが謝った⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎)」

「おいこっちにもスポット当てろ!!!」


突然背後から声がした。4人は振り向くと、謎の男が立っていた。


「お前ら、探し物はこれだろ」


なんと謎の男はみちびキーの片割れを出した。


「あ!みちびキー!あなたが持っていたんだ。ください」

「ダメだ。なんてったって、私はボスだからだ。お前らを待っていたのにも関わらず、全然来ない。そして、なぜか私の神殿が崩れた……あ、回想の方がわかりやすいか」


↓こっから回想です。


「これは、みちびキーの片割れ!とゆことは、おそらく誰かがこれを探しているんだろう。よし、そいつを私は待つ。この神殿の奥で」


10分後………。


「来ないな。まぁ流石に早いか」


20分後………。


「遅い………が、まだまぁまぁ、ね?」


1時間後……。


「………もしかして放置されてる?」


3時間後……。


「おかしい!なんで?なんで誰も来ないんだ!…………ん?なんか揺れてる?…あ!屋根に穴が!私がこの部屋で1番こだわった屋根が!」


その時、突然部屋が揺れた。


「な、なんだ⁉︎⁉︎」


ぱりーーーーん!


「ああ皿が!小学生の頃修学旅行で作った皿が!思い出の品だったのに!」


ズドォォォォォン


「ああ本棚が!五十音順に約1200冊並べておいたのに!苦労したんだぞ!」


ズドカァァァァァァァァァァァァァァンン


「ハァァァァァァァァァ??????屋根がァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」


ズドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴドォォォォォンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンンン………。


回想終わり!


「とゆうわけだ!私は多分ボス敵の中で1番不遇だぞ!だからそこのサソリに触れずに、私に触れろ!みよ!このみちびキーを!私はこれで世界征服してやる!どうだ、悪役っぽいだろ!」


「(あれこんな人いたっけ)」

「ロック、誰このおじさん」

「おおおおおおおおおおおいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!この美男代表と言っても過言ではない私を、おじ、おじ、おじ、おじさんだと⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎許さんなぁ。私の究極の美しき魔法を、体で体験させてやろう!」


◆◆◆


唐突ですが、最新話まで読んで戴きありがとうございました。


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       by謎の男

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