第15話 脱出

イットコは少し考え、答えた。


「確かにクレーマーは演説によく似ているな。しかし、演説は正しい在り方を示しているが、クレーマーは不評しか言わない。どうだ?こんなにも明確に違う!自分が演説するヒーローと勘違いしてるようだが、残念ながらヴィランなのだ!」


「お前もヴィランだろ!」


「イットコも反論!ここでコメント読みます。[隣りの人ツッコミすげぇ]、[隣りの人イケボじゃね?]、[スパチャ5000円]ありがとうございます![屁理屈と理不尽の対決www]、[クレーマーになろうかな]、[隣りのダンボすこ]、[一瞬で10000円稼ぐ方法教えます]だそうです!」


「知らないうちに俺のファンが増えた⁉︎」

「何⁉︎ロックは私のものだから!」

「もう喋りたくない…」

「まだまだ続くよ⁉︎」


「お前、一体何人の客をその名誉のために騙した!?」

「テメェは今までうちで頼んだピザの枚数を覚えているのか?」

「33561枚」

「めちゃくちゃ常連じゃねぇか」


「………(もう話すことなくなってきたな)」

「(もう文句ない…。しかし諦めるわけには)」


「えっと、大体お前のようなファミレスは、学生が来ることが多いが、そいつらも騙しているのか?」

「え、まぁ多分」

「絶対話すことなくなっただろ」

「えっと、じゃあコメント読みます。[ツッコミの人おもろ]、[ファミレスでこんな興奮したの初めて]、[スパチャ1000円]ありがとうございます![見てて飽きないな]、[イットコの株ダダ下がりwwwww]だそうです。そろそろ決着をつけます!相撲で!」


「なんで相撲にした?」

「え、いや、なんとなく」

「もうダメだこりゃ」


モコローは棒を出した。


「東〜〜イットコの山〜。西〜〜ミノタウロスの谷〜。見合って見合って、はっけよいのこった!!!!!!」


2匹は同じスピードと同じ力で押し合った。なんと互角らしい。いや、若干イットコの方が優勢か。


「大手ファミレス舐めるなよ!!!!!!ありゃァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」


ズドカァァァァァァァァァァァァァァンン


ミノタウロスは壁に投げ飛ばされた。

「イットコの勝ち!」

「クッソォォォォォォォォォ!負けたぁぁぁ!」

「あほくさ」


その時だった。突然天井から砂が落ちて、地面が揺れた。


「な、なんだ⁉︎」

「もしや、今の衝撃、この神殿じゃ耐えきれないんじゃない⁉︎崩れる!」

「ヤバい!とにかく崩れる前に逃げなきゃ」

「一旦宿に戻ろう!」







5人は宿屋に戻ってきた。


「おいなんか揺れ始めたけど地震か?」

「いや、この神殿崩れるぞ!」

「「「「は⁉︎」」」」

「早く逃げなきゃならない!カラーノ!早く抜け出せない?」

「ん〜〜、いい方法があれば別にいいんだけどね〜」


ズドォォォォォォォォォォォォォォン


入り口に大きな岩が落ちてきた。


「は⁉︎抜け出せなくなったんだけど!」

「大丈夫だ。このハンマー、シャベルにもなってるんだ。これで掘れるだろう」


ミノタウロスが提案した。カラーノが喜んだ。


「そりゃ良かった。じゃあ、このペンションを岩に向かって勢いよく蹴飛ばすから、掘ってくれ」

「強者同士の話し合いはよく分からん」


カラーノはテラスに出た。


「行くぞ〜!準備いいか〜?」

「いつでもOKだ!!!!!!」

「んじゃ、いきやす」


ズドカァァァァァァァァァァァァァァンン


宿が勢いよく岩に向かった。


「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


ズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォン

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