第14話 クレーマーの鑑vs.大手ファミレス

「(もしやこいつ、クレーマーなんじゃねぇか⁉︎)」

「とにかく!!!!!!俺はムカついている!お前らがサンドバッグとなれ!」


彼はハンマーを振り回す。その姿はまさに店で大暴れしているクレーマーそのもの。


「奥義!牛丼はよ出せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


ズドォォォォォォオン


謎の掛け声とともにハンマーを地面に突きつけると、そこからどんどん地割れていき、モコローの真下の土が盛り上がった。


「うわぁぁ⁉︎」


彼はかなり軽いため、天井まで吹き飛ばされた。


「わ⁉︎な、なんて怪力だ……」

「まだ行くぞ!ペペロンチーノの逆襲!」


ボォォォォォォォォォォォ


彼のハンマーに炎が纏い、辺り一面を焼き尽くした。


「あちぃ!ええ⁉︎ヤバっ、強すぎない?あとその掛け声何⁉︎」

「ロック!私たちの愛の力を確かめるよ!」

「恐怖心しかこちらにはございません」

「チーズインハンバーグ・ファイナル!」


ミノタウロスは大きくジャンプした。そして着地すると、周辺の砂と岩が飛び散った。


ズドカァァァァァァァァァァァァァァンン


「ハァァァァァァァァァ??????頭おかしいって!!!!!!」

「ロック!なんか建物飛んできたよ〜〜!」

「は?」


モコローが駆け寄ってきた。そして後ろには、本当に建物が飛んできたのだ!


「この小説やめたいです………」


ズドカァァァァァァァァァァァァァァンン



「おい、うちの店批判するのはどこのバカだ?」


建物はどうやらレストランらしい。ロゴに一つ目が出てきた。


「どこかの牛が批判を言ったらしいが!え⁉︎」

「なんだこいつ………」

「筆者どういう生活してたらこんな奴出そうとするの…?」


毎朝チーズオンライス食べてたらこんな頭になりやした。


「今すぐチーズ自粛しろ」

「俺だ!テメェの料理は出てくるの遅いくせにまずいんだよ!!!!!!」

「ハァァァァァァァァァ?イットコ舐めんじゃねぇよ!!!!!!大手チェーン店のイットコ様の批評を言うとは、なかなか度胸のある奴だ!サイゼリヤ、ガスト、ココス、イットコはモン星のファミレス四天王なんだよ!全ての旨味を司る俺を侮辱したことを、一生悔しがるがいい!!!!!!!!!!!!」


イットコの建物が縦に真っ二つになると、火炎放射をした。


「あっちぃぃぃぃぃ!!!!!!」

「あ!待ってロック!」


ソードンが逃げ遅れた。


「ああもうしゃあねぇな!」


ロックは火の海へ飛び込み、ソードンの手を掴む。


「こっちだ!」

「❤️」

「⁉︎……」


この時ロックの本能が、手を離せと言った。


「…やっぱごめん無理」

「そんたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」





炎が消えると、丸焦げのソードンがいた。


「………ああ、手を繋げた……幸せ」

「ソードン!酷いよロック!」

「いや、なんかいつのまにか手を離してた…」

「本能的に嫌がってるじゃん……」


一方イットコとミノタウロスは…。


「ハァハァハァ。なかなかやるじゃねぇか」


「テメェの店のピザ、そのくらいの火力で出せよ」


「黙れ牛!俺はテメェのためだけに料理作ってるわけじゃねぇ。他のお客様にも出すんだ!テメェのためだけに火力を増すわけにはいかん!」


「ほう?今のセリフ、Twitterで呟いて、炎上させるぞ?お客様は神様だろ?」


「お!クレーマーあるあるの、お客様は神様!きたーーー!イットコはどう出る⁉︎」


「何お前実況してんだよ!」


「お客様は神様?違う違う、お客様は神様に金を捧げる、一般市民なんだよ!神とは対極のな!俺のような大手ファミレスが、神様!テメェらに金を捧げられたお礼に料理を振る舞っているだけだ!勘違いすんなよボケが!」


「こんなんが大手チェーン店でいいのかよ!あとイットコってモン星固有のファミレスだからね?サイゼリヤとかと一緒にするなよ!」


「おっとーーーー!イットコも負けずに言い張りました!ミノタウロスどう出る⁉︎」


「だからお前なんで実況してんの?」


「今生配信中だから邪魔しないで!」


「生配信⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」


「そうだよ!全次元のファミレスとクレーマーが見ているんだよ⁉︎…いただいたコメントを読みます。えっと、[お客様が神様だと言ってきた時に使います!]、[隣りの人のツッコミすこ]、[ミノタウロスのハンマーってどんくらい重いの?]、[イットコ行くのやめよ]だそうです!」


「客1人減ってるじゃねぇか!」


「関係ない!1人くらいなんも変わらん。テメェはどうやら勘違いしていたようだな!大手チェーン店は絶対的な信用を持っている。だから、ほんの少しのミスでも許されるのだ!」


「ミスも積もれば山となる!かつてそう言った戦友クレーマーがいた。俺もそいつを信じていた。しかし、奴は警察に捕まった。それでも俺は怖がらない!クレーマーというのは、世間から見れば悪だが、逆に言えば、己の考え方が正しいと、主張する、いわば演説のようなものなのだ!俺が星府を批判したら、悪だと言う奴がいるだろう。しかし、星府が民衆に好かれない態度をとっていたとしたら、俺は正義となる!クレーマーとは、奥深く、そして、人によって正義にも悪にも変わる、謎の存在なのだよ。俺はそんな、人を選ぶが、意気投合する親友に出会いたくて、クレーマーになったのだ」


「なるほど!!!!!!どう出るのでしょうか大手ファミレス!」


「端から見たら全くカッコよくない…」

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