第12話 そして何も無くなった?
ついに100回目に。いつかは当たるはず、なのにも関わらず、当たらない。
「もう、財布の中空っぽ………」
「ほら、だからやめろと言ったんだ」
「二分の一だぞ⁉︎もしかすると次は当たるかもしれない」
「そ、そうだよね。………じゃあ、この財布を売るから、もう一度……」
「やめろ!!!!!!!!!!!!」
ロックはビンタした。
「いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「そりゃそうなるよね……」
「あ、看病しなきゃ。……絆創膏がない」
「じゃあずーーーーーっと遠くの薬局で買ってこい」
「またハズした。…………じゃあ、このバッグを」
「おいそのバッグ売るのやめろ!自分のものなくなっちゃうぞ!」
「次当たるかもしれないじゃん。彼の人生だぞ」
1000回目………そして何も無くなった。
「何してんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!!!!!!」
「ああ、もう、何も、ない」
「めっちゃ儲かった。じゃあさよなら」
「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
ガシッ
「捕まえた!」
「何をする⁉︎離せ!」
ロックはビックリボックスを捕まえたが、力がなさすぎて、むしろ引きずられている。
「痛い痛い痛い痛い痛い」
「ちょ、警察呼ぶぞ!!!!!!」
「お前が言えることじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
箱の中から黒い顔が出てきた。
「ばあ」
「………で?」
「え…………」
気まずい雰囲気なんぞ気にせずに、ロックは近くにあった穴を見つけた。
「おい、落とすぞ?謝れ」
「すみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみません」
「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ポイ
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
サボテンは途方に暮れていた。モコローが心配した。
「……どうしようか。全財産失ってしまった。金を稼がなければならないのに」
「…………じゃあ、[すいみんやさん]で働いてみる?」
「?」
「カラーノっていう人が営業している宿屋だよ。今どこにあるのかわからないけど、この建物を見たら入ってみて」
モコローは彼にペンションの写真を渡した。
「ありがとう……………」
「おおおおおおおおおおういいいいいいい」
どこからか声がしたかと思うと、なんとカラーノがペンションを神殿内に運んでいた。
「まさか落とし穴にハマって、こんなところまで落ちるとは思わなかった」
「カラーノ⁉︎」
「やあモコロー。……………ロックは?」
「あそこ。ねぇ、このサボテンが働きたいって!」
「あ!申し遅れました。私、サボボーンと申します。あの、ここで働かせてください」
「おけ。じゃあ早速門番をお願い」
「「え??????」」
「最近強盗事件が多いから、警備してほしいんだよ。あと単純に仕事がない。俺が家事全般やってるからな。もう夜だから、入れ。お前らの知り合いが来てるぞ」
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