第11話 闇賭博

「………俺、会社行こうかなぁ………」


彼の心にはひどく突き刺さったらしい。


「俺、脱サラしてやろうと思ってたけど、やっぱやめる。俺は会社の歯車となる!俺は社畜となる!!!!!!ありがとう、赤い球体の人。俺、社会に貢献しかしない完璧なサボテンになるよ!」


サボテンは地下へ潜っていった。


「良かったのか??????あれで」

「大丈夫!さあ、奥へ行くよ!」

「ちょっと待ったァァァァァァァァァァァァ」

「まともに進ませろォォォォォォォォォ」


天井から箱が落ちてきた。


「僕はビックリボックス!サボテンくん、君、脱サラの夢をまだ諦めちゃダメだ!逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ。苦しい方へ行くな!楽な方へ行け!」

「おいとんでもねぇ奴が来たぞ」

「逃げちゃダメだよ?ロック?」

「無理です」


サボテンがまた生えてきた。


「何?今から会社行こうとしたのに」

「君、脱サラしたいんだろ?僕が叶えてやる。まぁ、君次第なんですが。ここに2つ箱があるでしょ?どちらか1つに当たりの懸賞金があり、どちらか1つにハズレがある。1回200円!どっちでしょーか⁉︎」


箱がもう1つ落ちてきた。サボテンは迷った。


「どうしようかな。……懸賞金ちなみにいくら?」

「2000万円」

「やります」

「即決…」

「二分の一だよ。楽勝!」

「ちなみにハズしても、何回でも挑戦できるからね」


サボテンは左を引いた。


「ハズレ」

「ハァァァァァァァァァ??????」

「いや、二分の一ハズしたのは精神的にキツいな。まぁ何回もできるっぽいし、1回200円だからさ?ね?」

「ようし、今度こそ当たり引くぞ!」





















………10回目。


「クッソ。またハズレ。はい次行くぞ。200円」

「おい、もうそろそろやめたら?1000円だぞ」

「そこのダンボ、彼の運命だ。彼に決めさせろ」

「ちなみに二分の一を10回ハズす確率は(1/2)^10=1/1024だからね。また1つ賢くなったね!」

「お前頭悪そうだと思ってたけどさすが大学生」



















……20回目。


「またハズレだ。またハズレだ」

「おいそろそろやめろよ。いくら200円とはいえ…」

「ダンボ!止めない!」

「お前詐欺だろこれ。こんな20回ハズすこととかあるか??????モコローもなんか言ってやれ」

「二分の一を20回ハズす確率は1/2^20=1/1048576だから、無くは無い。また1つ賢くなったね!」

「限りなくだだっ広いんですけど」

「私とロックが結婚する確率は?」

「えぇ、15くらい?」

「そこは0にしてくれ………」




「またハズレ……………あ、もう小銭がない。1000円札なら」

「じゃあ1000円札で良いよ。お釣りはあげないけど」

「は?お釣りあげないって、やっぱ詐欺じゃねえか!サボテンやめろ!もうやめろ!」

「いや、あと1回………1回だけ」

「おい邪魔すんな」

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