第3話 ツッコミ役

ぴよぴよと小鳥が鳴く朝。窓から入る涼しげな風、ちょっと暗くてちょっと明るい部屋、暖かく真っ白な布団、

そして、目の前にあるモコローの足。いかにもホテルの朝らしi「ちょと待てちょと待てちょと待て!!!!!!何モコローの足って!なんでこいつの足が目の前にあんだよ」

ロックは起き上がると、モコローは枕に足を置いていた。その枕はロックのものである。

「(こいつ寝相悪っ)」

「…ああ、おはよ。………………」

ピッ

彼はすぐにリモコンでテレビをつけた。朝のニュースがやっている。どうやら人々が狂った原因は、ファイアロンの住む霧の街らしい。

「ロック!霧の街だって!霧の街ってどこ?」

「霧の街?ああ、霧の街ね。その名の通り霧の街で、常に夜なんだよ。太陽が当たらない場所らしくて」

「この星に太陽が当たらない場所とかあるの?」

驚くかもしれないが、なんとモン星は、球形ではなく、球形を横に真っ二つに割ったような形なのだ!!!!!!

「確かに星の形的に当たらない場所なんてなさそうだけど………、まぁ、ギャグ小説ではなんでもありなんだよ。多分」

「この小説で笑ってる人いんの?」

「主人公がネガティブ思考なのやめろ」

「そうですよね。こんな馬鹿げた小説で笑ってる人なんていませんよね」

突然どこからか知らない人の声がした。しかし当然ながらこの部屋にはモコローとロックの2人しかいない。外にも誰もいない。

「だ、誰⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」

「僕です。テレビです」

テレビの画面に目玉が現れた。

「ギャァァァァァ、デタァァァァァァァ」

「何この人⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎怖っ」

「す、すみません驚かせてしまって。僕は命の星が宿って生まれたんです」

「な、なんだよ命の星か」

「命の星って何」

「お前本当に大学生か??????命の星ってのは、宿ると魂が授かられる謎の星だよ。たまに降ってくるんだ」

「へぇ。こんにちは」

「おはような?」




宿屋を出た2人は森の道を歩いていた。

「霧の街というのはモン星のどこにあるのか知られてない、謎の場所なんだけど、モンスタウンにあるワープポイントから行くことができるんだ」

「へぇ、じゃあそのワープポイントに行けばいいんじゃない?」

「残念ながらワープポイントは塞がれているらしい。まぁ、そりゃそうだろうな」

「じゃあ、手がかりはないの?」

「ある。あるっちゃある。秘宝『みちびキー』だ。みちびキーは手に入れた者の目的地を示してくれる、鍵みたいなものだ。ただ、それが祀られているほこらに行ったら、何もなかったらしい」

「ファイアロンが取ったんじゃない?」

「いや、みちびキーは危機が迫ると分裂して星の各地にバラバラに飛び散るんだ。だから誰かが拾わないといいのだが」



しばらく歩いていると、赤いワニが現れた。

「おいお前ら、金を出せ」

「な、なんだよお前」

ワニは怒った。

「なんだよとはなんだよ」

「気にするところそこかよ」

「ハァ?ツッコんでくんな。俺がボケ役みてぇだろうが。俺はどう見てもツッコミ役だろうが」

「いや知らんし」

「とにかく金出せ。なければ何か置いてけ」

「えっとね、ちょっと待って」

モコローはモンスタウンの地図を出した。

「はい」

「……」

「遅いな!ツッコミ役を名乗るなら出された瞬間にツッコめ!!!!!!」

「あそっか。えっと、なんで地図なんだよいらねぇだろ!」

「キレが少ないな。俺が手本を見せる。…俺はモンスタウン初心者じゃねぇよ舐めんなよ」

「(おおすげぇ。いや、ダメだ)…いや、そんなことよりも金出しt」

「2人で何してんの……?」

モコローは呆れた。2人ははっとし、辺りを見渡した。

「……調子に乗りそうになったな。危ない危ない」

「十分調子に乗ってたよ……」

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