18話 障害物競走って、鬼畜・・・・・・!!
リディアから聞くと、決定戦の内容は、なんなのか毎年違うそうだ。あるときは、個人戦だったり、団体戦だったり、告白大会だったり、大玉転がしだったり、玉入れだったり・・・・・・。え?もう、体育祭じゃね?それ、最強に意味あるの?
まあ、いいや。どうすれば攻略できるのか、私たちまでもが考えている間に、真っ先に躍り出たのが、リュカ、ミア、ライ、リーゼ、フアンシド、ラファエルだ。やはり、というべきだろうか。剣の扱いに長けている彼らは、蔦植物の怪物をぶった斬り、障害物を1個乗り越えた、という所だ。
闘技場のあちこちに
え?エイデンがいないって?そりゃあ、そうだろう。エイデンは、昨日調子に乗って食べすぎて、腹を壊してしまったのだ。こんな時に、エイデンって抜けてるとこあるよね、って思う。私だけじゃないよね!?
蔦植物の怪物は、倒してもすぐに回復するらしく、リュカ達が倒してのを見計らって、リュカ達に続こうとした参加者達を、食べてる。食べてる。食べてる?食べてるうううーーーー!!!!!
「ねえねえねえ、リディア。食べてるよ、あの怪物。大丈夫なの?」
リディアの肩を掴んで、ゆっさゆっさ揺さぶる。
「大丈夫大丈夫。これでは死なないから。ただ、魔力と体力をごっそり吸い取られるだけ」
「え。それ、“だけ”とは言わないよ。大丈夫じゃないじゃん」
結構。やばい。マジで。死ぬまでは行かないと思うけど。でも、やばいよー。
闘技場の広さは結構あって、ざっと見ると、小学校とかの運動場軽く20個分?
結構、というか、めちゃくちゃ広い。
リュカ達に立ちはだかった第2の壁は、え、精霊?火の精霊だ。ええええええ。国王陛下って、火の精霊使役してるの!?しかも、見るからに上位精霊だ。確か、名前があるはず。千手観音みたいな、手が左右に3本ずつあって、火の腕輪みたいなものをしている。精霊なので、足はない。ただ、ものすごい魔力量だ。おそらく、軽く10万チャームは超えているだろう。
「はっはははは!!!!私が召喚した精霊達だ!!倒してみれるものなら倒してみろ!!」
国王陛下って、めちゃくちゃハイテンションよね。どこからきているのかしら。
まあいいや。チャームって何?って思った人、手を上げて!これを機に、魔力について学習するとしましょう。
チャームは、魔力の単位だ。まあ、お金で言う、円と同じ。だから、数字が多くなるほど、魔力量は多い、と言うことになる。この漫画の作者が高校生だから、考えるのが難しかったのだろう。
大体、平民、一般人の人たちの平均は、100〜1000チャーム。貴族の方々が、2000〜6000チャームあればいいくらいかな。魔法騎士達が、7000〜10000くらい。魔術師が、10000超え。王族が、20000くらいかな?30000を超えれば、もう規格外。
下位精霊が、10000チャームくらい。中位精霊が、20000〜50000。上位精霊が、それ以上。しかし、10万というのは、もうやばい。化け物。
よく言われる、魔王クラスと言うものが、100万超え。
それにしても、魔力量は、精霊を召喚する時、魔法を使うときに、自分の魔力量を知っておかないと、命取りになる。なぜなら、大きい魔法を使うと、魔力がなくて、死んでしまうかもしれないからだ。精霊を召喚するときも、大体、自分の魔力量よりも少ない精霊を召喚する。召喚するだけでも魔力を消費するのに、戦いに使うとか、もっと消費してしまう。国王陛下の魔力量って、化け物級かよ?はい。調べてみたところ、80万チャームでございました。
あ、ちなみに。私達がファリー様に測ってもらった時の魔力量は、私が、210万ほど。でも、これはほとんど精霊女王のおかげなので、なんか微妙。リュカが、さすが王族であり、闇の王、ザラームの主、190万ほど。まあ、私たちは、魔王になれるほど、すごいのです。
ミアが86万。ミアはもともとは、没落貴族の子供だから、流石に高い。それでも、やっぱり規格外。エイデンは、あ、落ち着く。20万。ちなみに、ライとリーゼは測定不能だそうよ。
私たちの魔力は、規格外だ。だから、絶対に他の人にバレてはならない、と、ファリー様とザラームに、強く言い聞かされている。それで、私たちは、
この世界には、
で、メガネをつけてきているのは、ただ単に変装をするためではなく、ラファエル達の魔力を図るためだ。
照準を合わせて、うーん。フアンシドは・・・・・・5万チャートか。まあまあね。ラファエルは・・・・・・。照準を合わせようとしたら、パリンッといって、メガネが壊れてしまった。
「ちょっ、シノア、大丈夫?」
「う、うん」
びっくり。壊れるようなことなんて、絶対にないのに。いくら、魔王クラスであるリュカを見ても、ヒビが入るだけだったのに。
そんなことを悶々と考えているうちに、リュカ達は火の精霊を倒してしまった。
「え、ねえねえリディア。どうやって倒したの?」
「全く。よそ見してるから見逃してしまうのよ。ばかねえ」
「し、仕方ないじゃない。メガネが急に割れたんだから」
リディアから聞くと、実態のない精霊、妖精には、剣などの物理攻撃は効かない。さらに、魔法は封じられている。残る手は、自分の武器に、精霊や、妖精を“憑依”させる、精霊魔法。
この戦い方は、騎士団長、将軍クラス、魔王クラスができる代物だ。でも、これができるかできないか、この二つには大きな違いがある。
この精霊魔法を駆使して、火の精霊をぶった斬ったらしい。
見たかった!!
そんなもうめっちゃくちゃ難しい魔法ができるなんて。あ、一応私もできるよ?だって、私に籠をくれているのは、精霊女王だし。ちなみに、私に精霊魔法は効かない。なぜなら、私が、妖精姫だからだ。妖精姫は、精霊、妖精、どちらにも愛される存在だから、清らかな心を持ち続けているうちは、精霊魔法は効かない。物理攻撃は聞くけどね。
リュカ達は、勢いそのままで、どんどん障害物を突破していく。
氷の精霊、魔物(でっかいクマ、蛇、トラ、ライオン、etc・・・・・・)などなど。
国王陛下もよく魔力尽きないわよね。すごいと思う。尊敬します。はい。うん。
それにしても、やっぱりリュカ達も体力を消耗してきているわね。魔力がないから、回復魔法はかけられないし。あれだけ飛び回ったりしていたら、体力消耗するのも当たり前よね。
「ほう。もう最後の関門か。最後は
・・・・・・は?え?体育祭ですか?え?うん?
リュカ達は、何なのかわかっていない様子だけど?ていうか、この世界に借り物競走ってあったっけ?
「では、私の方から説明しますね」
声が変わったと思ったら、セレンがしゃしゃり出てきた。
「これは、私の国であった、優勝を決める時の王道勝負です」
いいえ、断じて違います。
「お題に書かれてある物を国王陛下の元に一番先に持ってきた人が、勝ちです!!では、そこにおいてあるカードの好きな物をひいてください。ちなみに、お題は私が準備しました!!ちなみに、貴族令嬢の方でも、私でも大丈夫ですよ?」
ドヤ顔できめたセレン。多分、リュカ達は何を言っているのかわかってないと思うよ!!
みなさま、恐る恐るカードをめくる。
カメラに映し出されたのはお題は?
ラファエル:観客の中で一番可愛い人
フアンシド:タイプの女子
ミア:強い人
リュカ:●●な人
え?リュカのお題が見えない。
けど、ちょっと!!ラファエルとフアンシドのお題!!攻めすぎじゃない?え、これ絶対、私を選ぶのよね?っていうやつでしょ!!思わせぶりなやつでしょ!?
ていうか、それに対して、ミア達酷すぎない?リーゼに関しては、変な髪型の人、とか。
観客席の結界が一時的に解かれる。
「「「「「キャーーーーーーーー!!!!!!!!!!」」」」」
思わずリディアと2人で耳を塞いでしまった。女の子達の大歓声。
リュカ達はどうするのかしら、と思っていたら、ラファエルが手を上げた。
「俺、
えええええーーーーーー!?と、会場が動揺する。国王陛下やセレンでさえも動揺している。ラファエルは、その後何一言発さず、会場を出て行った。
動揺が収まらないまま、次に動いたのは、フアンシド。
「はーい!!俺のこと好きな子手を上げて!!」
「「「「「「キャーーーーーー!!!!!!!」」」」」」
え、みんな手を上げたよね?今。え?ていうか、セレンは?
「フアンシド様のことを嫌いな女の子なんていませんよ?」
手上げてる〜!!まあね。ヒロインだもんね。フアンシドが選ぶのは、セレンだろうな。
ま、私は関係ないし〜?あ。ポップコーンうま。
「ねえ。リディア。このポップコーン美味しいでしょ?」
「うん!!」
あれ?ちゃっかり、リディアも手を上げてる。
え。え。え?私だけか。手を上げていないの。あれ?リュカがものすごい剣幕で見つめてくるんですけど?
「君だな」
「へ?」
フワッと浮いたかと思うと、近くにフアンシドの顔が。
「え?」
私は、フアンシドに、抱き抱えられていた。
「「「「「「キャーーーーーーー!!!!!!!!」」」」」」
「ずるいわ!!」
「私もしてほしい!!!」
なんて言葉が聞こえてきますが、私にしては、下ろせよ早く!!セレンからの視線が怖すぎるんだよ!!
「・・・・・・っ。下ろしてください!!」
「え。なんで?」
「なんで私なんですか?」
「え。だって、俺に興味なさそうだったから」
「ええ。ないです。だから、下ろしてください!!」
ああ、もう!!こうなったら、力技で行くしか・・・・・・。
「彼女を離せ」
「・・・・・・!!リュカ!!」
リュカが、剣を振った時の突風で、フアンシドをぶっ飛ばした!!私はフアンシドから離れられたけど・・・・・・。え、落ちる落ちる落ちる!!死ぬ死ぬ死ぬ。魔法は使えないし。スイは今日お留守番だし。え。地面がもうすぐそこ。
あ、終わったな。
「大丈夫か?ソフィア」
「リュカ・・・・・・」
リュカが抱き止めてくれた。本当は、ここのシーンはキュンキュンしちゃう場面なんだろうけど。
私に関しては、一味違う。
「遅いわ。もう!!死んじゃうと思ったじゃない!!もう!遅い!!」
そう。キレるのです。
周りの人からドン引きされたけど、知らないふりをしておきましょう。
「おい。リュカ。ソフィア様を離せ」
後ろから、ライとミアが追っかけてくる。え。2人とも目が
そして無事に、真っ先に、国王陛下の元へ登場したのは、リュカだった。私を抱いたまま。
「国王陛下に、ご挨拶申し上げます」
「う、うむ」
セレンは、なんで?というような顔をしている。
「リュカ、お前が、今回の、騎士最強決定戦の勝者だ!!」
わっと会場が盛り上がる。みんなが立ち上がって、拍手をする。
リュカ、おめでとう。いや、それより先に言わせてくれ。
「早く下ろしてよ!!」
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