第31話 でもどうみても、壺とか買わせる系の人。あるいは宗教のヤツ
あーしは無事に、『
あれからもう一回手続きして、んでジョブゲットのヤツ……ブレスなんちゃらをやってもらった。
料金とゆー名のお布施も払った。そのお値段、なんと——150万リブリス。やば
でもそれ払うことでヤベェ能力手に入ると考えたら、まあそんなもんか? と思わんこともナイ。
ジョブとかいうヤベー能力をゲットするやつだから、ブレスなんちゃらは一体どんな感じのヤツなんだろーと思ってたケド、ジッサイやってみたらフツーだった。
なんかフツーに、『
まあブレスなんたらは
なんかスゲー強力な力を手に入れたってのが、
マジでこれはバージョンアップ成功——ver2.01版のあーし、ってカンジ。
そしてあーしは、自分のついたジョブ——『
とりあえず『探索者』のジョブについた時点で、あーしは三つのスキルを覚えた。
その三つのスキルとゆーのが、“
それぞれの効果はと言えば——
“
“
“
——ってカンジ。
つーか、ジッサイに使ってみないと詳しいトコロは分からんよね。やっぱね。
つーわけで今あーしは、スキルをジッサイに使ってみるために、神殿から出て街中をブラブラしてる。
フランツさん達はまだ神殿で自分達の用事をやってる。それが終わるまではあーしはヒマだろうってコトで、フランツさんが気を回してくれた部分もあり、あーしは一人、外に出てきたとゆーワケ。
まあスキルを使うと言っても、試せるのは“
つーわけであーしは、さっきからテキトーに目につくモノに“鑑定”を試しまくってる。
“鑑定”で基本的に分かるのは、そのモノを構成する素材についての情報。大抵のモノで分かるのはその程度。
なんかしらの意味があるヤツとか、魔法的な能力や効果のあるやつについては、それについての情報も出るカンジのよーだ。
試しに、あーしの持ち物のマントとかポーチに“鑑定”を使ってみたら、魔法の効果があるってことはなんとなく分かる。
んでこのスキルについても、使えば使うほど使い方が上手くなったり効果が上がっていったりするらしーから、なるだけ使いまくったがいいっぽいんよね。
ま、この“鑑定”のスキルをあーしが一番必要とするのは文字を読む時だから、やっぱそれを試すべきよね。
つっても街中をテキトーに歩いてるだけじゃ、意外と文字を見ないんよねー。看板とかもわりと絵がメインだし、文字ってケッコー少ない。
ただそんな中で見つけた文字に“鑑定”を試してみた結果、マジでちゃんと意味が分かった。つまり文字が読めたワケなので、このスキルの効果はマジで本物よ。
とりまこれであーしは文字が読めるよーになった。うんうん、あーし確実になんか成長してんな。オッケーオッケー。
それからも街をブラブラしながら“鑑定”を使いまくってたら、さすがに疲れてきたので、あーしは
ちょうどたどり着いた広場で、その辺の屋台で買ったブツを食べる。
それまでの癖で、ついつい買った食いモンにも“鑑定”を使ってしまう。
『“
判定……結果——『肉』。何の肉かは不明。
うーん、見れば分かるんよ、肉なのは。
……いちおー、腐ってないかとか毒ではないかとかは分かるっぽいので、そういう意味ではわりと使えそーではある。
“鑑定”と
要は、こっちがどう使うのかも大事ってカンジ?
まだ慣れてないからさー、看板の文字読もうとして、材質についてが出たりもすんのよね。『木』って出てきたから、木って書いてある看板かと最初思ったし。いや何の店だよソレって。フツーに食堂だったしそこ。
……さて、なんか謎の肉の謎料理も食い終わったし(そこそこウマかった)、そろそろ行くかー。
うーんどうしよ、もう神殿戻ろっかなー。それとも、もうちょいイロイロ歩いてみよっかな?
ゆーてなんか、こーして街中を自由に歩き回ってイロイロ見てみるのって、この変なトコに来てから初な気がするし、わりとワクワクしてるトコもある。
外国を観光しているみたいな気分だかんね。ジッサイ、海外のどんなトコよりここって異文化っしょ。魔法とかあるし。
つーかあーし自身、今や謎の能力使えるよーになってんだよね。……改めて考えるとなかなかヤベーなソレ。
なんかノリでジョブとかゆーのゲットしたケド、よかったんだろーかコレで……。
……ま、いっか。ジッサイ便利だし。
つーか鍛えたらテレポートまで使えるらしーしね。んならゲットするしかねーダロ。テレポートだぞ? ピュッてやってポンやぞ。まじドラのドアじゃん。夢広がるだろコレ。
……てか待てよ、つーかそのテレポート能力で
『
ただスキルの能力の詳しいトコについては、まだ分からない。みんなもそこまで詳しくは知らなかったし。
テレポートの能力は強力だけど、色々と制限も多いって言ってた。だから分からないケド……もしかしたら、って思うジャンよ……!
『
でも、ジョブの能力にはそんなスゲー能力もあるワケだし、仮にこれが無理でも、他のジョブの能力なら、あーしが日本に帰れるヤツもあるかもしれない。
魔法とかスキルとか、最初は意味分からんし勘弁してクレ……とか思ってたケド、こーなるとむしろ、これって希望じゃねーのカヨ?
おうおう、こんな不思議パワーあれば確かに、どーにかなりそーな気がしてきたジャン……!
あーしはなんとなく希望を発見した気分になって、立ち上がると再び街中に繰り出した。
よーし、せっかくだから、もーちょいウロウロしてみよ〜っと!
それからもしばらく、街中をブラブラと
どことも知れぬ場所を歩いていたあーしに、その時、トツゼン誰かが話しかけてきた。
「——もし、そこのお人、ちょいとお待ちくださいな」
声を掛けてきた方を見たら、そこには一目見てアヤシ〜人が居た。
なんか全身をすっぽり覆うマントなのかローブなのかって服を着てて、頭も被ったフードですっぽり隠れている。さらには、そのフードの内側にはヴェールのようなモノまであって、完全に顔も分からない。
え、何この怪しーヒト、てかあーしに声かけたの?
「突然声をかけてすみません。気になる人が通りかかったもので、思わず声をかけてしまいました。——ああ、こんな見た目ですけど私、れっきとした占い師なんです。だから全然、怪しいものじゃありませんよ?」
や、占い師とか言われた方がむしろ怪しさ増すくね?
あーしはフツーに胡散臭そーにその占い師とかいう女の人を見てたケド、向こうはそんなあーしを気にしてないよーで、フツーに話を続ける。
「一目見て分かりました。
「う〜〜ん……いや、えーっと、う〜ん……」
あーしはショージキ——めんどーなのに絡まれたカナ〜——って思ってた。
「私の占いの腕を疑っておられますね? しかし私も『
「えっ、ディバ——なんとかって、占いのジョブ持ってんの?」
「ええ、ええ、そうですよ。私が本当にジョブを持っているかは、ほら、貴方の持つ“
「えっ、マジ? じゃあ——」
『“
あーしは、もはや条件反射のよーにスキルを使った。
判定……結果——
名前——『
種族——『
性別——『女性』
年齢——『
——と、判明した。
「わっ、ほんとーに『占導師』って出た。——ってか人間もいけんだこの“
「これでお分かりいただけましたね? 私がちゃんとした占い師だと」
「はぁ、まぁ、うん」
「どうですか? 私の持つ占いのスキルを試してみては。貴方の抱える悩みを解決する糸口になると思いますよ」
「うーん、でもー」
「今、お急ぎですか? 違いますよね? ヒマですよね?」
「んー、まあ……」
「安心して下さい。占いの結果に納得がいかない時は、料金は頂きませんので」
「はぁ、そっすかぁ」
「……とりあえず、立ち話もなんですので、そこのカフェのテラスにでも行きませんか? ——カフェのお代は奢りますから」
「……じゃあ、そこまでゆーなら」
あーしは占い師さんに押し負けたカタチで、カフェテラスまで連れられて行く。
まあ、占いのスキルってのにキョーミがないワケじゃないんだケド。ジョブのスキルなら、ただのインチキとは違うソレなりの効果はありそーだし。
ただなんか、向こうから話しかけてきた上でやたら押しが強いのが、なんか気になるとゆーか、素で拒否反応が出るっつーか。
まあ“鑑定”でもちゃんと出たから、『占導師』のジョブなのは間違いナイだろーケド。
……アレ、そー言えばこの人、なんであーしが“鑑定”使えるって知ってんの……?
「なんでもお好きなものを注文しちゃってください。——あ、ちなみに私のおススメは、“フルーレサルワー”って飲み物です。おススメです。
席についたところでそう言われたので、とりあえず二人して飲み物を注文する。
まあせっかくなんで、あーしもそのフルーレなんとかってヤツにする。もちろんアルコールはナシ。
飲み物はすぐに来た。飲んでみたら、フツーにフルーツミックスジュースだった。しかもやたらウメェ。
「——さて、それじゃ早速、占いを始めましょうか」
そう言って占い師の彼女は、
占い師の定番アイテムが出てきて、じゃっかんあーしのテンションが上がった——って、いやいや、なんかもう占う気マンマンだし。
「あ、あのっ! なんでそんなにあーしのコト占いたいカンジなのっ?」
「そうですね、その理由を一言で言うなら、職業病というやつでしょうか? 貴方のような
「え……? あーしの運命が……?」
「そうです。貴方は人より強い運命をその身に宿しています。貴方は……自分が特別な人間だという感覚がありませんか?
えー、いや、特別ってゆーか……まあ、ここの人らとは、タブンあーしはゼンゼン違うんだとは思うケド。……出身的な意味で。
「そんな人が強い迷いを抱えているのを見たならば、これはもう声を掛けざるを得ないですよ」
「迷い……? あーしが?」
「迷ってますよね? 道、というより、生き方……あるいは、目的? それを見失っている。——いや、目的はあるが、
「——っ!?」
それって……あーしが
「貴方ほど強大な運命力を宿す人が抱える迷い……きっと並大抵の手段では霧は晴れないと思われます。ですが、占いの力を借りれば、もしかしたら、一条の光が差すやも知れません……。どうですか、試してみる価値はあると思いますよ。
占いを聞いたとして、それに従うかどうか、決めるのは貴方自身です。……占いなどをしているとですね、結局のところ一番重要なのは、才能や境遇などではなく強い願望——すなわち“意志”なのだと、そういう結論に至るのですよ。
もちろん、貴方ほどの人ならば、持ちうる意志力も強大でしょう。しかしそれも、正しい方向に向かわせる指針があってこそ。闇雲に進むだけでは、いたずらに迷うのみ。前に進んでいるつもりでも、そも、前がどちらかも分かっていない……それではいつまで経っても目標には辿り着けません。それがものの道理というもの。
必要なのは——暗闇を照らす光、広大な荒野で道を示す夜空の星、霧の海でも進路を示す羅針盤——すなわちそれが、“導き”です。
——さぁ、迷える旅人よ、そなたに道を示しましょう……。
……では、貴方の運命、ひとつ覗いてみませんか?」
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