第152話 次の予定は新發田さんとの小規模同人イベントだったな

 さて、東雲さんの誕生日パーティも終わったし、中垣内なかがいととの動画撮影で行った動画配信の再生回数も順調に増えていて、俺達は高校生のユアチューバーとしてはそこそこ名前が知られてきて、配信収入もそれなりの金額が手に入るようになってきだ。


 まあだからといってこれで一生食っていけるとは思わないけども、学生のバイトと考えれば十分な収入だ。


 そして今後の女の子との行動予定で一番最初なのは7月21日の新發田しばたさんと小規模同人イベントに参加するだな。


 というわけで翌日金曜日の午前中の授業が終わったら放課後はパティスリーでのバイトだ。


 そして放課後になり、新發田しばたさんに声をかけて一緒にパティスリーに行こうかと考えていたら、先に新發田しばたさんが笑顔で俺に声をかけてくれた。


「秦君、バイト先まで一緒に行きませんか?」


「あ、うん、俺もちょうど同じことを言おうと思ってたところだったよ」


「ウフフ、奇遇ですね」


 俺たちは並んで校門を出て、バイト先のパティスリーへ向かう。


新發田しばたさんは、パティスリーのバイトになれてきた?」


 俺がそう聞くと新發田しばたさんは笑顔で答えた。


「はい、最初は私に接客なんて出来るかなってすごく不安でしたけど、困ったときは白檮山かしやまさんや店長さんがフォローしてくれますし。

 それに私、意外と接客は嫌じゃなかったみたいです」


「うん、それなら良かったよ」


 接客業といってもモンスタークレーマーみたいな客じゃなきゃ大体はなんとかなるんだよな。


 風俗の受付は酔っ払いも多かったからそれなりに大変だったけど。


 まあだからこそクレーム処理をするコールセンターのテレオペとかは大変なんだろうけど。


「それに……お二人共無理しないで少しずつ慣れていってくれればいいって言ってくれてますので」


「そっか、壬生いくるみさんも白檮山かしやまさんも、いい人だよね。

 職場によっては直ぐに仕事を覚えろみたいなところもあるみたいだし」


「はい、本当いい職場で良かったです」


「そういえば最近は銃剣乱舞の方はどんな感じ?」


「銃剣乱舞はやっぱりちょっと飽きてしまったので時間に余裕があれば少しずつやるって感じです。

 あ、でもネットの二次創作小説とか漫画はちょくちょく読んでいますけどね」


「なるほど。

 ゲームより小説や漫画のほうが面白いっていうのは俺も何となく分かるよ。

 けど、こんな感じでクラスの女のことも仲良くできたらいいんだけど」


 俺がそう言うと新發田しばたさんは少し表情をくもらせた。


「男の子と違って女の子はゲームや漫画、アニメが好きって言う人は少ないですからね。

 少なくとも表立っては」


「まあ、確かに女の子にはオタク的な趣味については表立っては話しづらいか。

 俺はあんまり気にしないけど」


「なので、秦くんが白檮山かしやまさんを紹介してくれたのはすごく嬉しかったですし、助かっています」


「ああ、それなら本当良かったよ」


 まあ、ゴリゴリのBL好きな腐女子である白檮山かしやまさんと夢女子らしい新發田しばたさんの間もじつは深い溝はありそうなんだけど、そのあたり白檮山かしやまさんが引きずり込もうとしない限りは問題にならないかな。


 そんな話をしている間にバイト先に到着。


「おはようございます」


「おはようございます。

 王生いくるみさん、白檮山かしやまさん」


 新發田しばたさんが店のドアを開けて、店の中ニ二人へ笑顔で挨拶をした後に、俺も続いて王生いくるみさん、白檮山かしやまさんに続けて挨拶する。


「はい、おはようございます。

 おやおや、今日はそちらの二人で一緒に出勤ですか?」


 王生いくるみさんがそういうと白檮山かしやまさんも言った。


「前も思ったけど二人は仲良しだね」


 それに対して新發田しばたさんが笑顔でいった。


「ええ、秦くんはクラスメイトですし、趣味のお話もできますからね」


 前に今感じでからかわれたことがあった気がするけども、その時に比べても新發田しばたさんはここの雰囲気に慣れてきてるんだなと感じたよ。


 俺は奥に行って王生いくるみさんに聞いた。


王生いくるみさん、ここ最近の来客や売上ってどうですか?」


「ええ、動画を上げる前と比べれが一日平均で20組20000円ほど一日の売り上げが上がっています。

 とてもありがたいですよ」


 一日で来客が20組も増えたのか、知名度ってやっぱり大事だよな。


 新規客を獲得し、リピーターにしつつ、顧客の購入回数を増やす事ができればこれくらいは行けるのかもしれないが。


 風俗の場合は単価が高いので顧客の購入回数を増やすというのは難しいけどな。


「おお、それはよかったです。

 やっぱり売上には来客数を増やすのがが一番ですもんね。

 業態によっては客単価でなんとかできる場合もありますけど、一日の売上で20000円増えてるなら月で500万ぐらいは増えてますよね」


「ええ、なのでできれば、二人にももう少しシフトに入ってもらえると私は助かります」


「そしたら俺と新發田しばたさんが一緒の時間が増えても大丈夫ってことですね」


「ええ、金曜日の夕方や土曜日もできればお昼すぎまでいていただけると助かりますね」


「わかりました。

 ではなるべくそうしますね」


 そして新發田しばたさんもいう。


「わたしもお金が必要ですし、いまは授業は午前中だけですからできるだけシフトに入りたいです」


 それに対して白檮山かしやまさんもいう。


「軍資金はいっぱい必要だし私もたくさん働きますよ」


 二人は同人誌を買うための金をここのバイトでなんとかするつもりらしい。


 俺も今までは土曜日に色々やることが多かったが、今後は減らしていけばなんとかなるだろう


「本当に秦君がうちのお店へ来てくれて、本当に助かっていますよ」


 王生いくるみさんが笑顔でそう言ってくれるが、実際の人生経験は俺のほうが長いしな。


「いえいえ、それほどでもないですよ。

 実際そんなに働けてるわけでもないですし」


「でも、掃除や下ごしらえなどの普通はやりたがらないことを率先してやってくれて助かっていますよ」


「そういうのは飲食だと特に大事ですからね」


 まあ、なんだかんだで優しい女性のオーナーパティシエや同僚がいるというのはやる気モデルというものだが、男って単純だよな。


 結局その後ニ仕事が始まるとなんだかんだとお客さんがひっきりなしに来てバタバタしていたので、そのまま上がりの時間になってしまった。


 たしかに会社帰りの夕方だけでなく、平日の午後の時間帯でも結構お客さんが来るようになっているみたいだ。


 そして、王生いくるみさんが俺たちに声をかける。


「では、秦君と新發田しばたさんは、今日はこれで上がってください。

 秦君は明日はまた7時からで、あすはどのくらいまで残れますか?」


「明日は特に予定はないので夕方あでいても大丈夫です」


「では秦君の上りは16時にして、新發田しばたさんは10時に出勤で19時まででお願いします。

 9時間拘束でそのうち1時間を二人が被っていてなるべく余裕がある時間での休憩に当てる感じでお願いしますね」


「了解です」


 俺がそう答えると、新發田しばたさんもうなずいた。


「わかりました」


 そして俺たちは着替えてパティスリーを後にした。


「秦君、同人イベント楽しみですね」


 笑顔で新發田しばたさんがそう声をかけてきたので、俺は頷いて答えた。


「うん、白檮山かしやまさんといっしょに行った同人イベントはなんだかんだでつかれたけど楽しかったし、きっと新發田しばたさんも楽しめると思うよ」


「はい、私もそう思います」


 そういう新發田しばたさんの笑顔はとても可愛いと思ったよ。


 予定


 7月21日:新發田しばたさんと小規模同人イベントに参加


 7月29日:西梅枝さいかちさんとホタル観賞


 8月1・2・3日:文ちゃんと海


 8月5・6・7・8日:九重ここのえさんと山でキャンプ


 8月10日:文ちゃんの誕生日


 8月のお盆:白檮山かしやまさんとコミケ1日目2日目に参加


 8月20日:中垣内なかがいととプールデート


 8月23日:南木なみきさんと水族館デート


 8月26・27日:弥生ちゃんとTDR


 7月末と8月末:東雲しののめさんと宿題

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