第142話 期末試験対策も文ちゃんがわかりすく教えてくれて助かったよ

 さて、弥生ちゃんと皐月おばさんが色々教えてくれたおかげで採寸の仕方やそれを使っての型紙の作り方を教わったので、コミケでの毀滅の刃のコスプレもなんとか目処が付きそうだ。


  そして一学期の期末試験の日程は来週7月2日の火曜日から7月5日の金曜日まで。


 そして結果発表はその翌週で、平均点の半分以下が赤点となり、赤点をとった場合は7月13日土曜日は補修を受ける羽目になる。


 過去の傾向から行くと大体30点程度が赤点になることが多いようだ。


 なんやかんやで勉強会をしながら各教科の試験勉強はしてるから赤点はないとは思うが、中間テストに比べて期末テストの点があんまり下がるのも困るな。


 まあ、それはともかくとして、ほぼ一夜漬けになってしまうが今日以降はしっかり勉強した方がよさそうだ。


 という訳で俺とお母さんは自宅に帰ってきたんだが、文ちゃんが待っていた。


「あっちゃん、お帰りなさい」


「あ、うん、ただいま文ちゃん。

 わざわざ俺が帰ってくるのを待っていてくれたの?」


「うん、だって昨日、今日出会えなかったからね。

 今日は何してたの?」


「あ、うん、それはごめんね。

 今日は弥生ちゃんの家に洋裁を教わりに行ってたんだ」


「ふーん、あの綺麗な大学生のお姉さんのところにいってたんだ」


「まあ、どっちかというと洋裁は弥生ちゃんより皐月おばさんに教わってたけどね。


 と言って俺は思いついたことを聞く。


「あのさ、文ちゃん。

 急なんだけど今日の今から期末試験対策の勉強のアドバイスお願いできないかな?」


 俺がそういうと文ちゃんはふふっと笑っていった。


「まあ、そろそろそう言ってくるんじゃないかなって思ってたよ。

 中間試験のときに比べてあっちゃん遊びすぎでしょ」


「うん、まあそうだよな」


「まあ、先週は僕と薔薇園デートもしてたしね。

 だからちゃんと教えて上げるよ」


「うん、本当助かるよ」


「ちなみになんか御飯作った方がいい?」


「あ、ごめん。

 ご飯は皐月おばさんがたくさん作ってくれたから大丈夫」


「うー、僕のやることをあんまり取られるのは困るなぁ」


「まあ、皐月おばさんの家は農家で採れたてのトウモロコシとかいんげんとかゴーヤとかが結構余ってるっぽかったからね」


「まあ、あっちゃんていっぱい美味しそうに食べるからいっぱい作りたくなるのはわかるんだけどね」


「俺ってそんな食べるかな?」


「まあ,少なくともあっちゃんに食べ物作ってる女性はみんなそう思ってると思うよ」


「そっか、すこし食べる量減らしたほうが良いかな?」


「まだまだ背も伸びると思うし、男の子だから良いんじゃない?」


「まあ、もう少し体は動かすようにするよ」


 で、勉強を教えてもらうために俺の部屋に移動。


「相変わらず、狭いところだけど、どうぞ」


 と俺は文ちゃんを部屋に案内する。


「ふふ、お邪魔しまーす」


 で勉強を開始だ。


 そこで文ちゃんが俺に言う。


「さてさて復習になるけど、基本的に高校の教師は適当にテストの問題を出すわけではないということはわかってる?」


「うん、覚えてる。

 中間テストや期末テストはテスト範囲の教科書内容の、学習指導要領で絶対に押さえておかないといけない内容を、生徒が理解出来ているのかを、確認するための問題を出題する、だったよね」


「そうそう、だから期末試験であっても要点は決まってるってこと。

 もっとも期末試験だと音楽・美術・保健体育・技術家庭なんかの副教科もテストに出るだろうし、中間試験よりは大変だけどね。

 でも要点になる場所があるのは同じだし副教科は暗記さえしておけばいい教科も多いから、そこを確実に押さえて取りこぼさないようにしておけば、定期考査で高得点が取れるようになるよ

 まあ副教科については大学入試のセンター試験や二次試験本番でも出題されるわけじゃないけどね」


「主要五教科は、大学入試対策のためのテスト問題からでるとして副教科は山が張りづらいってことかな」


「そうだね。

 でも、筆記試験に関しては副教科の暗記方法は教科書が基本だし、学校で配られたプリントがあれば先生が重要視している傾向もだいたいはつかめるから、それもちゃんと暗記すれば大体は大丈夫なはずだよ」


「なるほどな、やっぱり文ちゃんはすごいよな」


「別にすごくはないけどね。

 僕たちはちょっと要領がいいだけなんだと思うよ」


「まあ、たしかにそういうのは有るとは思うよな」


「前と同じようにまずは数学・国語・英語に関して完全な状態にして、それを物理などに応用するのが大事だよ。

 期末試験に出そうな問題としては……」


 と文ちゃんは俺が使っている教科書から試験問題として適切と思われる個所をピックアップしてくれた。


「この辺りがわかってれば大丈夫だと思うよ」


「ん、ありがとう。

 これなら期末試験対策の方は何とかなりそうだよ」


「んふふふ、僕も役に立てたようでうれしいよ」


 あいかわらず、文ちゃんは完璧超人だよなと思うが、せめて勉強くらいでは彼女に釣り合うと思われるようにはなりたいものだ。

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