第134話 広瀬くんの誕生日パーティはうまくいったな
さて、月曜日の朝に広瀬くんに確認したところ誕生日パーティには参加してくれるということも無事確認できた。
なので、俺はパティスリーアンドゥトロワに電話して明日の夕方にとりに行くので友達用のバースデーケーキを作って欲しい旨を伝え、カラ鉄へも電話して箱を抑え、オードブルや飾り付けも用意するパーティプランも頼んでおいた。
その後定番のクラッカーやらバルーンアート用のバルーンにパーティグッズやらをドンキィホーテで購入して明日に備えたよ。
まあ、事前準備でできることは全部やったと思う。
そして翌日の朝だが念のため広瀬くんやみんなに聞いておくことにした。
「今日の誕生日パーティもいつものように動画撮影をしたいと思うけど、ネットにアップしてもいいかな
?
駄目ならプライベートな思い出用に保存するだけにするけど」
俺がそうきくと広瀬君は笑っていった
「別にいいと思うよ。
君は本当にこういった機会を逃さないよね」
「まあ、これでも高校デビュー動画でユアチューバーとしては、そこそこ人気になってるからな。
できれば、こういう機会は逃したくないし」
そして
「まあ、カラオケのパーティルーム貸し切りでみんなで誕生日パーティやる何って間違いなく高校デビュー成功の部類っしょ」
その言葉には
「まあ、そうよね。
多分高校生くらいだと人数が揃っての誕生日パーティなんてなかなかやれないもの」
そして放課後。
「俺はアンドウトロワにバースデーケーキとバースデープレートを取りに行くんだけど、誰か一人運ぶのを手伝ってくれないかな?」
俺がそう言うと手を上げてくれたのは
「あ、じゃあ私も一緒に行きますね」
「あ、うん、助かるよ。
他のみんなは部屋の飾りつけとかのために先にカラ鉄に行ってくれるかな?
広瀬くんは17時にカラ鉄に来てくれれば準備は終わってると思う」
俺がそう言うと剛力君はコクっとうなずいて言った。
「うん、了解だよ。
先にいって飾り付けを終わらせておくね」
そして広瀬くんもうなずきながら言った。
「了解。
主役は遅れて登場するっていうことだな」
「そういうこと」
というわけで俺たちは分かれて行動を開始した。
俺は
「
「いえいえ、一人ではバースデーケーキとプレートの両方は運べませんからね」
「でも、ケーキだけじゃなくてメッセージ入りバースデープレートもあれば絶対盛り上がると思ったんだよな。
人数も多いから余計にな」
「そうですね。
でも、予算は大丈夫なのですか?」
「そのあたりはユアチューブの収益から出せるから大丈夫だよ。
今回もちゃんと動画撮影の許可ももらえたしね」
俺がそう言うとキョトンとしていた
「あ、ああ、なるほど。
それで撮影許可をもらっていたんですね」
「うん、そういうことだね。
みんなの協力で稼いだお金はみんなで使うようにしたいし」
「私達は参加しているだけでほかは何もしてませんけどいいんでしょうか?」
「まあ、動画に出てくるのが可愛い女の子だから見られてるってのは大きいからな。
よっぽど顔がいいとか面白いとかでもない限りは男はやっぱ厳しいだろうし」
「あ、あはは……真面目な顔でそう言われると照れちゃいますね」
そんな事を話している間にアンドウトロワに到着した。
「こんにちは。
ケーキとプレートを取りに来ました」
俺がそう言うと
「はい7号のコリーヌ・オ・フリュイとフルーツのメッセージ付きバースデープレートですね。
ちゃんとできていますよ」
「さすがですね」
「パティスリーは信用商売ですからね。
ちゃんとオーダーされたものはオーダーされたように最高なものを提供しなければ生き残れませんから。
あ、ケーキは予め8等分にしておきましたので」
「ですよね。
この業界は競争も厳しい大変だ。
あ、それは助かります」
ホールケーキはカットの仕方が悪いと見栄えが悪くなるからな。
「まあ、秦くんのお陰で最近は知名度も上がってきて売上も右肩上がりで助かってますよ」
「ならよかったです。
俺もいいバイト先がなくなってしまっては困りますし」
「うふふ、そうならないように頑張りましょう」
というわけで俺たちは箱に入ったバースデーケーキとバースデープレートを受け取ってから、カラ鉄に向かった。
そして受付で昨日予約している旨を伝える。
「はい、ご予約の秦様ですね。
他の方々はもう到着されていますよ」
「ん、ありがとうございます」
そして12名向けパーティルームはバルーンや爽やかな色合いがキレイなブルーのガーランドなどのデコレーションでキレイに飾り付けられていた。
俺は動画投稿用のビデオカメラを回して室内を飾り付けているみんなの様子を撮影していく。
バルーンやウォールステッカーでHappy Birthdayのデコレーションに美しく部屋を飾っている
「さすが女の子たちは飾り付けも華やかな感じにしてくれるな」
俺がそう言うと剛力君が苦笑していった。
「あはは、僕もガーランドの飾り付けを手伝ったんですけどね」
「いや、剛力くんもありがとうな」
そして本日の主役の到着だ。
広瀬くんが入り口に現れ、小さく手を上げて言う。
「やあ、みんなもういいかな?」
「もちろんだよ。
広瀬くん誕生日おめでとう!」
「誕生日おめでとう!」
俺の掛け声とともにみんなが手にしたクラッカーが派手にパンパンと打ち鳴らされて、目をパチクリしている広瀬くんだが我に返って微笑んだ。
「みんな、ありがとう」
そして広瀬くんがバースデーケーキの前に着席したら電気を消して、バースデーケーキに刺さったロウソクに火を灯す。
「ハッピーバースデートゥーユー。
ハッピーバースデートゥーユー。
ハッピーバースデーデイア広瀬くん。
ハッピーバースデートゥーユー」
そしてみんなが歌い終わったら主役の広瀬くんが蝋燭へ息を吹きかけて火を消す。
ど定番の行動だがこれをやってこその誕生日パーティだよな。
そしてケーキと広瀬くんを中心にしてみんなで記念撮影だ。
「みんな笑って。
ハイチーズ!」
パシャリとシャッターが切られて撮影ができた。
それから俺と剛力君、
「これは俺達からのプレゼント」
俺がそう言うと剛力くんが付け加えるように言った。
「そんなに高いものじゃないからね」
「まあ、秦くんだけだったらバカ高い物をプレゼントしてくることもありそうだけど、剛力くんも一緒に選んでるなら大丈夫だろうね」
広瀬くんが冗談めかして言うが、冗談……だよな?
俺ってそんなに金銭感覚壊れてるって思われてるのかな?
「まあ、2人で1つずつのプレゼントを持ち寄ってきてるからそんなに金額には差はないし内容のかぶりもないから安心してくれな」
俺がそう言うと広瀬くんは笑っていう。
「君のことだから、どうせみんなと一緒にプレゼントを買いに行ったんだろう?」
「いや、今回は一応違うよ?
まあ、最終的にはみんなで一緒に買いに行ったのと同じような感じにはなっていたけど」
それからはジュースで乾杯。
これで本格的にパーティーが始まった!という雰囲気になる。
その後は楽しくワイワイ雑談をしたり、カラオケを歌いながら食事だ。
バースデーケーキにバースデープレートに加えパーティプランで頼んだ食べ物のピザ、唐揚げとイカリイングフライ、パスタ、シーザーサラダ、ウインナーとフライイドポテトにオニオンリングと烏龍茶やオレンジジュースなどのソフトドリンクがテーブルに並べられたがあっという間に消えていく。
まあ、高校生が7人も集まればこうなるよな。
「じゃ、誕生会の最後は、きっちり主役の言葉で閉めてもらおうか」
「ん、了解。
今日は俺のために集まってくれてこんな豪勢なパーティを開いてくれてみんなありがとう。
俺もいずれはお返しする側になると思うからその時は頑張るよ。
あと、このパーティを企画して取りまとめてくれた秦くんは特に大変だったろうから今日はのんびり休んでくれな」
広瀬くんの言葉にパチパチと拍手が打ち鳴らされた。
みんなも喜んでいるし、俺は最高の達成感を味わうことが出来た。
やっぱり、やってよかったぜ。
誰かを楽しい気持ち、嬉しい気持ちにさせることができると、自分も同じように凄く楽しくて嬉しい気持ちになれるものだな。
クリア
6月25日:広瀬君の誕生日
予定
土曜日:
日曜日:皐月おばさん&弥生ちゃんに洋裁を教わる
7月10日:
7月21日:
7月29日:
8月1・2・3日:文ちゃんと海
8月5・6・7・8日:
8月10日:文ちゃんの誕生日
8月のお盆:
8月20日:
8月23日:
8月26・27日:弥生ちゃんとTDR
7月末と8月末:
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