第133話 明日の放課後は広瀬くんの誕生日パーテイをできそうだ

 さて、寿司屋で中垣内なかがいと南木なみきさんと軽く夕食の寿司を食べていたら俺の舌がおこちゃまだと言われてしまった。


 まあ、元々”前”から辛いものはあんまり得意じゃなかったし苦いものも苦手気味だったんだが、普通に抹茶フレーバーやコーヒーフレーバーのアイスとかは食えるようになっていたんだ。


 だが高校生に戻ったことで胃が丈夫になったと同時に舌が鋭敏になったのか、肉の脂身を食べても胃もたれなどをしなくなったかわりに苦いものや辛いものは全然だめになってしまっていたんだな。


 まあ、女の子は割りと辛いもの大丈夫だったりするけど男はそうじゃないって思ってほしいもんだが、実際は辛いものが平気かどうかには性別による差は特にないらしいんだよな……とほほ。


 それはともかく、飯を食いながらコミュニケーションを取るのはなんだかんだで新しい発見があったりするのが面白かったりするんだが。


 そして寿司を食べ終わったらその場でみんな分かれて帰宅。


「あ、お母さんごめん今日はばったり女の子と会って寿司を食べてきたから夜ご飯は軽くでいいよ」


 俺がそう言うとお母さんは風とため息をついていった。


「そういうことは帰ってきてからじゃなくって、お寿司を食べる前に言ってほしかったわ」


「ごめんなさい」


「まあ、軽くでいいって言うなら御飯の量は減らしましょう。

 今日はハンバーグよ」


「やった、俺、お母さんのハンバーグ大好きなんだよね」


 そういうとお母さんはくすっと笑っていった。


「あなたは小さい頃からハンバーグ大好きだったわね。

 付け合せのニンジンとかも甘くて美味しい美味しいってばくばく食べる子だったし」


「えっと、そんな気もするかな?」


「でも煮物の椎茸とかお魚は駄目だったわよね」


「椎茸は味がどうしても駄目だったんだよね。

 まあ、今は食べられるようになったけど。

 魚は小さな骨があって食べづらいんだよなぁ」


「しらすとかはたしかに普通に食べていたものね。

 ワサビはダメみたいだけど」


「そ、そのうちワサビも大丈夫になるよ……多分だけど」


「骨の付いたお魚もちゃんと食べられるようにならないと駄目よ」


「へーい」


 そんな事を話しながら俺が好きな食べ物や苦手な食べ物の傾向は、小さい頃からおっさんになってもそうは変わらないのだなと改めて思ったりした。


 そして翌朝。


 いつものメンバーが揃ったところを見はからって、真後ろの席に座る広瀬くんへ俺は聞いた。


「広瀬くん。

 明日は君の誕生日だよね。

 今は試験期間中だけど放課後に三時間くらいまででカラオケのパーティルームで誕生日パーティをしたいと思うんだけおどうだろう?

 もちろん試験対策の勉強が優先だって言うならそれも仕方ないと思うから明日のお昼休みに誕生日プレゼントを渡すだけで済ましてもいいんだけど」


 俺がそう言うと広瀬くんは冗談めかしていった。


「相変わらずというかなんというか、君はさすがだよね。

 でもみんなで誕生日パーティをしようって言ってくれてるのに勉強を優先すると思われるのはちょっと心外かな?」


「あはは、ごめんごめん。

 じゃあ明日のパーティの箱はカラ鉄でいこう。

 誕生日の当人は無料だし予約しておけばケーキの持ち込みや飾り付けもOKでソフトドリンク飲み放題なはずだから」


 俺がそう言うと広瀬くんは笑顔で答えてくれた。


「了解。

 明日を楽しみにしておくよ」


 それから授業を受け、昼休みにパティスリーアンドゥトロワに電話して明日の夕方にとりに行くので友達用のバースデーケーキを作って欲しい旨を伝える。


 そこで王生いくるみさんが俺に聞いてくる。


「パーティの参加人数は何人なのですか?」


「7人ですね」


「そうするとサイズは6号か7号になりますがどちらがいいですか」


「高校生なんでちょっと大きめの7号でお願いします」


「後、フルーツのバースデープレートもつけたりする方がいいかしら?」


「あ、そうしてもらえると助かります」


「わかったわ」


「じゃあ明日の16時には取りに行きますね」


「了解です。

 腕によりをかけて作るから楽しみにしていてね。

 ケーキはコリーヌ・オ・フリュイでいいかしら?」


「苺、みかん、ベリー、ピスタチオなどのフルーツが飾られた、バニラとベリーの2層のムースのケーキですね。

 はいそれでぜひお願いします」


「料金は給料天引きでいいのかしら?」


「はい、そうしてもらえればたすかります」


 それからカラ鉄へ電話をかけ明日の夕方16時半から3時間を誕生日パーティで使いたい旨を伝えて8人部屋を予約で抑える。


「ではこちらでオードブルや飾り付けも用意するパーティプランなどはどうですか?」


「あ、じゃあそれでお願いします」


 というわけで明日の誕生日パーティの準備は整ったし、うまく行けばいいなと思う。


 今週は家庭科部の部活動がテスト期間に入るためないので、月曜日と水曜日の放課後は開いているので放課後に俺・剛力くん・西梅枝さいかちさん・東雲しののめさん・中垣内なかがいと南木なみきさんで集まって明日のパーティでどんな事をしようかとか話し合い、その後定番のクラッカーやらバルーンアート用のバルーンにパーティグッズやらをドンキィホーテで購入して明日に備えたよ。


 せっかくだから楽しい時間にしたいよな。


 予定


 6月25日:広瀬君の誕生日


 土曜日:西梅枝さいかちさんと買い物


 日曜日:皐月おばさん&弥生ちゃんに洋裁を教わる


 7月10日:東雲しののめさん誕生日


 7月21日:新發田しばたさんと小規模同人イベントに参加


 7月29日:西梅枝さいかちさんとホタル観賞


 8月1・2・3日:文ちゃんと海


 8月5・6・7・8日:九重ここのえさんと山でキャンプ


 8月10日:文ちゃんの誕生日


 8月のお盆:白檮山かしやまさんとコミケ1日目2日目に参加


 8月20日:中垣内なかがいととプールデート


 8月23日:南木なみきさんと水族館デート


 8月26・27日:弥生ちゃんとTDR


 7月末と8月末:東雲しののめさんと宿題

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