第57話 中垣内とのデートはどうしようかな

 さて、東雲しののめさんとのSNSでのやり取りの後で、デートの場所を東京スカイタワーとスカイタウン周辺と決めた。


 なので次は中垣内なかがいととのデートをどうするかだな。


 中垣内なかがいととは当初の動画撮影や本屋、映画館、ウィンドショッピングなど二人きりの行動をけっこうしているから、いまさらそんなに特別感はなかったりするがだからこそ、特別感を出していくのが大事だろう。


 その割にはあまり中垣内なかがいとのことを知っているとは言えないのは、そういったことを行っていた目的が、再び嫉妬の目線を南木なみきさんに向かないようにするためにはどうすればいいかという目的を果たすために行っていたからだが。


 中垣内なかがいとは十分い可愛い女の子だから、普通の男子高校生であれば恋人になってデートしたり、キスしたり、裸を見たいと思ったり、性行為したいと思うのだろう。


 だけど、風俗で働いていた俺にはそれらは童貞にとっては光り輝くまぶしい幻想であっても、実際には大したことではないということが分かっているから、そういったことをやりたいという気があまり起きたりしないんだよな。


 東雲しののめさんには、デートの場所はこちらで考えろと言われたが、とりあえず中垣内なかがいともそう言うとは限らないし、俺は中垣内なかがいとへ、SNSメッセージを送る。


中垣内なかがいとは、デートで行きたい、具体的な場所とかある?』


 俺がそうメッセージを送るとやはり返信はすぐに帰ってきた。


 なぜ女の子は即既読、即レスが可能なのか……意味が分からん。


『あたしも、あんたにデートの場所はちゃんと考えてほしいよ』


『お、おう、もしかして東雲しののめさんからきいた?』


『まあね』


 うん、女の子の連絡網の伝達速度と範囲の広さの恐ろしさを忘れていたよ。


『ちなみにプラネタリウムとホタル観賞ならどっちがいい?』


『え、なにそれ、どっちもいいんだけど』


『どっちもか……まあ、両方ともいけないことはないけどもな。

 ちなみにホタル観賞をすると帰りは結構遅くなるぞ』


『それは平気だよ』


『そうか……んじゃちょっと考えてみるよ』


『たのしみー』


『んじゃな』


『じゃね』


 中垣内なかがいとは映画に誘ってきたりしているから、あんまり動き回らないでのんびり過ごせる場所のほうが好みかなと思ったが、プラネタリウムとホタル観賞のどっちもいいといわれるとはな。


 まあ、ホタル観賞は19時以降の暗くなった時間でないとできないから、明るいうちにプラネタリウムに行って、その後に移動してホテルでブッフェを食べながら蛍の鑑賞をするとかでいいだろう。


 ゲンジボタルなら5月半ばから光ってるから、中間テストが終わるころなら「ちょうどいいタイミングだろう。


 俺はホタル観賞が可能なホテル山茶花荘の「ほたるの夕べ ディナーブッフェ2019」の予約をパソコンで行っておくことにした。


 これでとりあえずは二人とのデートプランは問題ないかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る