第34話 やっぱカラオケは仲良くなるのに便利だよな

 さて、ファミレスのゲストで昼飯を食べた後は、ドリンクバーを飲みながら、午後は何をしようか話をする。


「オーランはボウリング以外に、ゲームセンター、カラオケ、バッティング、アーチェリー、ダーツ、ビリヤードがあるけど、やっぱ無難なのはカラオケかな」


 俺がそういうと東雲しののめさんが首を傾げた。


「なんで?」


「まず、バッティングとアーチェリーは、初めてやる女の子には厳しいだろうから、あんまり楽しめないかなって」


 俺がそういうと東雲しののめさんがうなずいた。


「ん、まあ確かにそうだね」


「ダーツとビリヤードは、おそらく女の子でもそこまで難しくはないけど、ルールの確認がちと面倒だと思うし、ダーツはともかくビリヤードは結構難しい」


 俺がそういうと東雲しののめさんが、またうなずいた。


「それもたしかに」


「で、ゲームセンターは大勢でワイワイというのにはあんまり向かないかなって。

 なんで消去法として残るのはカラオケかな」


「まあ確かにそうかもねー」


「という訳で俺としてはカラオケが無難だと思うんだけど、どうかな?」


 それに対してはまず西海枝さいかちさんが答えた。


「私は前回のカラオケに参加していないこともありますし、カラオケがいいです」


 それに広瀬君もうなずく。


「僕も前回に参加していないから、カラオケがいいな」


「カラオケに対して反対意見はないかな?」


 俺がそう聞くが特にないようなのでファミレスのゲストを出てもう一度オーランへ入り、カラオケを楽しむことにする。


「さて、じゃあ、さっそくみんなで歌おうぜ」


 と俺が言うものの西海枝さいかちさんや南木なみきさん、広瀬君に剛力君たちは、トップで曲を入れたりするのは難しいだろう。


 こういう時には東雲しののめさんが頼りになりそうなのだが……。


「前回とは違う歌にした方がよさそうだし、どうしようかなー」


 と選曲で迷ってるようだし トップバッターは俺が行くしかないか。


 デンモクで曲を入れて、マイクを手元に寄せる。


「んじゃ、まずは俺が行くかね。

 竜巻でオンリーラブだ」


 そして曲が流れ始めたので、俺は合わせて歌いだし、歌い終わって、周りを見渡して見る。


「どうかな?」


 俺は東雲さんに聞いてみた


「うん、やっぱり下手じゃないけど、特別うまくもないねー。

 でも前に歌ってたやつよりは秦ぴっぴにあってる感じ」


「そりゃどうも」


 そしてデンモクをみながら真剣に曲を探している。


「やっぱり秦ぴっぴの後は、安心してうたえるねー。

 んじゃあたしもー。

 今回はブラックナンバーだよ!」


 東雲さんが楽しそうに歌いだすが、今回は男性アーティストなのか。


 そういうと南木なみきさんも楽しそうに言った。


「じゃあ私はクイーン&プリンスで行きますね」


 南木さんもジョニーズとはちょっと意外。


「もしかして、南木さん。、俺に合わせた?」


 俺がそう聞くと……


「ふふ、さあどうでしょう?」


 と笑顔でごまかされた。


 西海枝さいかちさんはどうするのかな?


西海枝さいかちさんは何を歌うんだろ?」


「え、ええと、じゃあ向坂46で」


「あ、なんかすごい似合ってるイメージ」


 俺がそういうとえへへと笑う。


「そ、そうですか」


 剛力君はというと。


「僕は……麦津玄師が好きですから、また挑戦してみます」


 そして広瀬君は。


「僕はロミオメロンで行くよ」


 カラオケは特に気の利いた会話をしなくても、みんなが知っていそうな曲を歌えば、そこそこ盛り上がれるから便利だよな。


 周りの音がうるさいので会話しづらいというのはあるが、逆に言えば特に頭使って会話をしなくても皆で楽しんでる感が得られるということであるし、他人が楽しそうに歌ってると自分も楽しい、普段大人しい人が意外に激しい曲を歌ったりノリノリだったりという姿を見れる意外性もある。


 他人が歌っているとき手拍子をとったり、タンバリンやマラカスを使って雰囲気に合わせれば一体感も出るしな。


 それにボウリングと違い、点数や勝ち負けがはっきり出たりはしないのもいい。


 まあ、採点機能を使えば点数は出るけどさ。


 だからこそ場がしらけないような、妥当な選曲が大事だったりするんだけど。


 ”前”のTRPGサークルでは”ふぃぎゅ@フレンド”とか”最強イエスノー計画”とかの電波ソングを誰かが入れて歌っていたりしたが、ごくごく親しい身内で男ばかりのカラオケだからできる芸当でもあるよな。


 まあ酒が入った風俗嬢のカラオケだとボウイズのオンリーワンがめっちゃ内容がエロい替え歌になったりするので、それはそれで、結構男子従業員は引いたりもするけど、あれはあれで楽しかったな。

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