403 心の友からの電話



 それは45階階層主ナイトメア、白馬のあおちゃんからの脳内電話だった。


 「久しぶりあおちゃん!まさかそのネタは‥‥鏡に字を書くあれかよ!

 魂食いのマ◯ちゃんかよ!」


 「デスデス!さすが同世代だねーアレクー」


 「プッ」


 わはははは

 ふふふふふ


 一気に気持ちが落ち着いたんだよ俺。

 さすが俺の心の友、ソウルメイトだよあおちゃんは!



 「ピンポンパンポーン ピンポンパンポーン ♪

 お客さまにご連絡します。今にもキレそうなアレク君という名前の11,2歳くらいの男の子がいましたらあおちゃんが探しています。ご連絡をお待ちしております。

 ピンポンパンポーン♪」


 「ありがとうあおちゃん。おかげで落ち着いたよ」


 「フフフフよかった。

 いいアレク。学園ダンジョンの中ではアレクの頭の中は全部私に筒抜けなんだからね!あーもちろん変態なとこもね」


 「いやーーーやめてぇーーー!」


 「フフ、まぁそれは置いといて。

 アイツら最低だね」


 「だろあおちゃん!」


 「これはアレクじゃなくてもキレわ!

 でもアレクがキレてダンジョンに来れなくでもなったら私も困るからね。アトゴカイダシ」


 「えっ?なにあおちゃん最後なんて言ったの?聞き取れなかったよ」


 「あいつら最低ねって言ったんだよ!」


 「お、おお‥」


 「だからそんな最低な奴らにざまぁすることに決めましたーー拍手ーーぱちぱちぱち‥」


 誰が拍手するんだよ!


 「ぱちぱちぱちぱち‥なになに?あおちゃんなにするの?」


 えーーー?!

 いつのまにシルフィあおちゃんと仲良くなってんだよ!


 「あたしとあおちゃんはマブダチだもんねー」


 「「ねーあおちゃん(シルちゃん)」」


 なんだよそれ!

 精霊と馬がマブダチ!しかもシルちゃんって!

 憑いてる人間ほったらかしってそんな話聞いたことないわ!


 「まあいいじゃん。世の中にはそんなこともあるんだよ」


 「「ねーあおちゃん(シルちゃん)」」


 どんなことなんだよ!


 「でねーアレク。

 いいことと悪いこと‥‥

 あっ間違えた!


 金の斧と錆びついた鉄の斧。お主が落としたのはどちらじゃ?」


 どっちでもいいよ!


 「「ノリわるっ!」」


 「「あははははは」」


 勘弁してくれよ2人とも……。




 「まあハッキリ言ってアレクたちがどんだけ頑張ってあいつら引っ張ってっても。よくいけて5階層までにしといてよね。

 それ以上はダメ!あいつら絶対死ぬわよ!」


 あーやっぱりね‥‥


 「でもね、いいこともあるの。あいつら信じられないくらいヘタレ5人組でしょ。

 だから今回の設定は激甘なのよ」


 なんだよ設定って!


 「だかーらー今後の5階層までに出てくる魔獣は、他のみんなには余裕で倒せるわ」


 うん。でしょうね。


 「そんでね。あいつらが5階層までで心折れて帰るんなら、それはそれでいいわ。

 ああ撤退が10人になって帰ってもぜんぜん余裕だからね」


 「えっ?だって撤退だよ?」


 「そりゃ去年のアレクたちなら危なかったわよ」


 「うん。俺死にかけたし」


 「フフフフ。だよねー。

 でもね、今回はあのヘタレ君仕様の激甘設定だよ?」


 「うん」


 「弱っちい魔獣の2体や3体が10倍になって襲ってきても今のアレクじゃ余裕のよしこさんでしょ」


 よしこさん……。


 「それでももし‥‥

 『5階層主と闘るんだ!俺たちは強いんだー!』ってヘタレ君たちが勘違いしたままなら階層主部屋にいかせてもいいわよ」


 「えっ?だってゴリラだよね?無理じゃんそんなの。

 しかも扉は倒すか死ななきゃ開かないんだよね?

 先輩たちムカつくヘタレだけど死んじゃまずいでしょ。マジで」


 「えーっといいおしらせです。

 今回はわたくし45階階層主ナイトメアのあおちゃんの権限でヘタレ君たちが死ぬ前に扉を開けてあげます!」


 おぉーすげぇー!


 「あっ、5人が倒れたらだよ。

 でもねあいつら死なないけどゴリラ自体の強さは弱くはできないよ?

 だからとっても酷いことになるよ?手足も◯れちゃうよ?スプラッターだよ?そんでもよかったらだけどね」


 「わかったよあおちゃん。もし5階層までたどり着いてあの先輩たちがどうしても行くって言ったら‥‥

 そんときは俺契約魔法を先輩たちと交わすことにするね」


 「ん?なんの?」


 「今回ねエリクサー2個持ってきてるんだ。だからもし使ったらお金払ってもらわなきゃ学園に迷惑かけちゃうからね」


 「それナイスねー!」


 「だろー!」


 「でもアレク、この半年で契約魔法も使えるようになったんだね!グッジョブ!」


 「あはは。まだ精密なのは無理だけどね」


 「いいわ。ちょっぴりあたしもアレクの手助けしてあげるね」









 さっきから俺ずーっと気になってたことを聞いてみたんだ。


 「あおちゃん‥‥」


 「なに?心の友と書いて親友?」


 「あはは。やっぱりあおちゃんはあのときのペナルティで‥‥」


 「今は言いっこなしよ!」


 「うん‥‥」


 シルフィが言ったんだ。


 「いいアレク。あおちゃんのために卒業するまでに45階層に行くんだよ。それがあおちゃんを助けることになるんだから」


 「えっ?!」


 「2人の秘密だもんねー」


 「「ねー」」



 たぶんなんらかのペナルティを女神様かそれに準ずる人と交わしたんだよな。

 それと引き換えにあおちゃんはリズ先輩を助けてくれたんだ。


 「わかったよあおちゃん」




 「じゃあアレク早く行きな。

 また会うのじゃぁぁぁぁぁ‥‥」


 あおちゃん。煙で消えないよ!元から姿見えないんだからね!








 「あっ!そうだった!」



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