第4話 罠について検証

 ログインして雑貨屋により、買い物をして再び森に足を踏み入れていた。


 昨日はログアウトした後に色々とネットで攻略サイトなどを見て勉強したのだが、罠師に関しては情報が少なかった。


 そもそも罠師の人口が少ないのだろう。

 俺みたいにレア職狙いでランダムを選んでなってしまったような人しかいないようだ。


 罠師はクランとかにいれば一応、重宝されるらしい。

 罠を張ったところに皆で誘導するとかするらしい。


 けど、なんで罠師が必要とされないか。

 それは簡単。

 罠に追い詰める間に攻撃して倒してしまえばそれで終わりだからである。


 討伐効率は格段に良いだろう。

 しかも、罠は大型モンスターになるとそれ専用の罠になる。

 作るのにも材料費がかかるのと、何よりDEX値が足りないという問題が浮上する。


 そりゃ、罠師が不遇扱いされるわけだ。

 けど、俺はやり方次第だと思っている。


 詰め将棋のような物だろう。

 俺は将棋とオセロが得意だ。

 実は全国大会優勝したことがある。

 中学時代の話だが。


 おびき寄せつつ罠にかける。

 罠にかけたら畳み掛ける。

 これでやってみようと思う。


 雑貨屋では手袋を買ってきた。

 この前は木の実に匂いが移った。

 それを先ず防ぐ。


 しばらく探していると、また昨日の猿に似たモンスターがいた。


 今度こそ成功させる。

 まず、ナイフ付きの落とし穴の罠を設置する。

 少し上から穴に向かってナイフの罠を設置。


 この罠設置、凄いなと思うのが、設置されているのが分からないようにちゃんとカモフラージュされているのだ。


 MP5でこれなんだから、優秀だよ。


 あとは、来る時にとった木の実をパラッと罠の上に撒く。

 そこからちょっとずつモンスターの方に木の実を撒いていく。


 近くまで来たら隠れる。

 木の実を投げて気を引く。


 こちらを向いた猿に似たモンスターは木の実の匂いを嗅いでいる。

 少しして木の実を口にして徐々に罠の方へ向かう。


 バレないように罠を設置した所に戻る。


 モンスターが木の実を食べながらやって来た。

 散乱していた木の実の元に駆け寄る。


ドサッ


 落とし穴が発動する。

 落ちた先にはナイフが設置されている。


「ギィー!」


 下に設置されているナイフは掠めたようで傷はつけたがまだ生きている。


 半径1メートルの落とし穴だった。

 結構大きい穴だった。


 なるほど。

 この大きさだと大体のモンスターは落とし穴にかかるな。

 けど、オプションのナイフがこれしかないから掠めただけだったと……。


 モンスターは罠だとわかると逃げようと穴の上にはい出てくる。


 横にあったロープをナイフで切る。


シュバッ


 ゴムに括りつけてあったナイフがモンスターの胸にザクッとささる。


「ギギィ」


 光になり、魔石を落とす。


「うん。上手くいった。けど、やっぱり落とし穴だけだと威力がないな」


 でも、初めての魔石ゲットだ。


 この魔石は地属性。

 罠に設置すればどんな効果があるんだろうか。

 ちょっと楽しみだな。


 魔石の効果がある罠を試してなかったな。

 ロープのやつ使ってみようかな。


 罠は発動すると自動で消える仕組みになっている。

 消えたあとは元通りだ。

 片付ける必要も無い。

 便利だ。


 そうだよ。

 ポジティブに行こう。

 ラブルの顔が浮かぶ。


 あそこまでスーパーポジティブな考えは出来ないが、良い方に考えよう。


ズゥゥゥンッ


 何かがぶつかる音がする。

 音のする方に少しずつ近ずいて行く。


 イノシシの頭が岩になっているようなモンスターが木に激突していた。

 なにやら無差別に突進しているようだ。


 激突しても大丈夫そうな気を探す。

 モンスターを挟んで向こう側にいい木がある。


 回り込んで木に下に行く。

 ロープの雷属性の魔石をオプションにした罠をはる。


 少し下がってモンスターに向かって石を投げる。


「ブモッ?」


 こちらを振り返ると、俺の姿を認識したようで目をつり上げる。


「ブモォォォォッ」


 こちらに向かって突進してきた。

 気に隠れるように身を重ねる。

 迫ってきた。


 目の前だ。


「ブモォォ?」


 足を吊られて宙ぶらりんになる。

 目が焼かれるほどの光を放った。

 

バリバリバリバリバリバリ


 音が止むと、プシューッと言う音と丸焦げになったモンスター。


 光になって魔石をドロップする。


ピコンッ


 目の前にメッセージが表示された。

 【レベルアップしました】


 レベルが上がったのか。

 いいぞ。

 これで少しDEXが上がったはずだ。


 これは、使えるな。

 魔石のオプションは序盤はかなり使えそうだ。


 だが、如何せん高いのと罠作成の成功率が百パーセントじゃないのが困る。

 失敗すると全部無くなるからなぁ。


 ふむふむ。

 でも、罠さえ作れれば何とかなりそうな気がしてきたなぁ。


 けど、罠を作るには金がいる。

 金策を練らないと。


 昨日調べたところ、金を稼ぐにはモンスターを狩るか、未知の領域を探索する事。

 宝がたまにあって高値で売れたりするらしいんだよな。


 未知の領域に行くなら探索者登録をしておいた方が良いらしいのだ。

 何か宝を発見した時に報酬が出るらしい。


 そして、未知の領域にも魔石と同じようにランクがあり、危険度が違うのだ。

 それを知るにはギルドに行かないと分からないらしい。


 まずは、街に戻ろう。

 街に戻り、探索者登録をしよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る