第四話 戦争の続き
「やはり奴らはこの国を諦めていなかったらしい」
ギマリは上半身のスーツを脱いで左肩の治療をしている。銃弾が肩の近くに当たったが、そのまま抜けたらしい。表面を少し抉っただけで済んだそうだが、それでも痛々しかった。
私はガーゼを切ったり抗生物質を用意したりと手伝っていたが、ギマリの言葉はほとんど頭に入ってこなかった。ただ、あの戦争はまだ続いていたのだという事は理解できた。
「今日遭遇したのは先遣隊だった。時間が無くてあまり聞き出せなかったが、奴らはこの国を手に入れるつもりらしい。しかもその作戦は今日決行される……」
「手に入れるって……? サリフォアまみれのこの国を?」
私が自嘲気味に聞き返すと、ギマリは淡々とした口調で続けた。
「奴らはサリフォアを焼き払うつもりらしい。燃料気化爆弾……広範囲に燃料を拡散させて発火させる兵器らしいが、それを使うようだ。それでサリフォアを焼き払う……荒唐無稽な話だが、本気らしい」
「爆弾……国全体を?」
「一発で数キロ平方が焼き払われる。衝撃も大きいから、範囲内の建物は吹き飛ぶそうだ。そして更地にして、そこをイ国の領土にするのが奴らの計画だ。国全体だと何年……何十年かかるか分からないが、なにせ無人の国だ。抵抗するものは誰もいない。時間がかかっても奴らはそれを実現するだろう」
「イカレてんじゃん、それ……」
街を爆弾で吹っ飛ばして自分たちの領土にする? めちゃくちゃな話だったが、サリフォアを使ったのだってそうだ。イ国はそういう国なのだ。手段を選ばない。
「で、どうするの?」
私が聞くと、ギマリは怪訝そうな顔をした。
「どうする? どうするも何も……逃げるしかないだろう」
「逃げるってどこへ? ギマリは……サリフォアのない所には行けないじゃない!」
クリーンルームを使って確認したが、ギマリは周囲にサリフォアのない環境だと四八時間程度しか生きられない。国内であれば大抵どこにでもサリフォアがいるから平気だが、逆に言えば国の外に出ることはできない。
「私は……いいんだ」
あらかじめ言葉を用意していたかのように、ギマリは答えた。諦めたような笑みを浮かべ、私を見つめていた。
「いいわけないじゃない! なに大人ぶってんのよ! 死んでいいわけないじゃない!」
「ただで死ぬ気はない。出来ることはやるさ。少なくともお前が逃げる時間は何とかする」
そう言うと、ギマリは机の引き出しから紙の箱を取り出した。蓋を開けると、中には時計や宝石が入っていた。
「通貨は紙くずだから使えないが、こういう貴金属は換金できる。外へ行ったらラ国の大使館に行くんだ。事情を話せば保護してもらえるだろう」
その言葉に、私は頭の中が沸騰するような気がした。ギマリはずっと前から、私だけが助かる道を考えていたのだ。
「こんなものまで用意して……今更私を一人にしないでよ! こんなんだったら……一緒にここで死んだほうがましよ!」
ヒステリックな私の叫びに、ギマリは困ったような顔をした。そして静かな声で言った。
「あの日、十人以上が抗生物質を飲んだが、生き残ったのは私だけだった。なぜ自分も死なせてくれなかったのかと神を呪ったよ。だが君を見つけ、自分が生かされた意味が分かった。私は君を守るために生き延びたんだ。それを全うしなければならない。リテア、お前は……ここで死ぬべきではないんだ……」
「何よそれ……!」
私は席を立ち、ギマリに背を向けた。
いーよ、分かった。そっちがその気ならこっちだって好き勝手やってやる。この日の為に用意していたのは私だって同じだ。
死なば諸共。派手にやってやる。
コックピットは冷たいかと思っていたけど、電子機器の熱のせいで結構暖かかった。専用のパイロットスーツは少しサイズが大きかったけど、ちゃんとシステムに認識されて機能していた。
「えっと……これが通信で、こっちが冷却系。こっちは電装関係で……オールグリーンっと」
私はシミュレーターで覚えた手順で各システムのチェックを行なっていく。人がいなくなった後もこいつはメンテナンスロボットによる整備を受けていて、コンディションは良好だった。
「よし、メインエンジン始動!」
機体内部のプラズマ核融合エンジンがゆっくりと起動する。発電所が止まっているから起電力の確保が問題だったけど、なんとか防衛研究所にあった非常電源装置でまかなう事が出来た。
出力五%……六%…。八%まで上がればあとは自分の発電力で回していける。七%……八%……! 発電開始の文字がHUDゴーグルに通知され、機体の振動が急に大きくなる。機体の各所に電力が供給され、反重力ドライブの起動準備に入る。
「こんなにうまくいくなんて……作った人はよほどの天才なのね。」
大型機動兵器、オグマ。ナ国の最終兵器だ。核兵器が禁止された世界でのもっとも強力な兵器。二十年ほど前に基礎理論が構築され、それから世界中で開発され、そして実戦配備された。ナ国でもようやく三年前に開発が完了し、それ以来ずっと防衛研究所の専用格納庫で眠りについていた。
全長二百メートル。全身の各所にはミサイルや機関砲を装備し、さながら歩く要塞だ。装甲も堅牢であり、同クラスの大型機動兵器以外では破壊が不可能と言われている。飛行は可能だが、一般の航空機のように揚力で飛翔するのではなく反重力ドライブによるものであるため、形状は航空力学を無視した攻撃能力優先の形状をしている。
先端には飛行機と同じくレドームがあるが胴体は四角く、巨大なブロックを組み合わせたかのような形状をしている。後方には推進用ジェットがあり、八基の反重力ドライブが八万トンの重量を重力の鎖から解き放つ。
実戦で使われたことはない。一年前のイ国の攻撃の時も使われずじまいだった。粘菌ミサイルの攻撃が急すぎて、あっという間に感染が広がって起動する暇もなかったのだろう。それに、仮に使っていたとしても状況は変わらなかったはずだ。オグマは国を亡ぼすほどの力をもつが、粘菌のみを選択的に破壊することはできない。出来るのは、全てを破壊することだけ。
でも今は、それでよかった。イ国からの戦力をすべて叩き潰すのが目的だからだ。
「本気で……やるつもりなんだ。うちの国を爆弾で吹っ飛ばすって奴……」
司令センターから送られてくる情報では、十機ほどの戦闘機が既にナ国の領空に入っている。そしてその後方百キロに、ゆっくりと前進する大きな影があった。
イ国の大型機動兵器、ハデスだろう。サイズは二百メートル級でオグマと同クラス。作られたのはオグマより二年早いが、ハデスも実戦に投入されたことはない。
恐らく……世界初なのだ。全面的な核戦争が生じなかったように、大型機動兵器で実際に戦うことはこれまでになかった。しかし、それが起きようとしている。
イ国は退かないだろう。私も退く気はない。例えこの身がどうなろうとも、イ国のこれ以上の侵略を許す気はなかった。それが最後のナ国民である私の……責務。いや、そんな格好いいものではない。これはただの私怨。憎しみと怒りが、私を突き動かしていた。
反重力ドライブの暖機運転が開始され、もう間もなく離陸できる。専用格納庫の地上ハッチは開き、現在はゆっくりとエレベーターで地上に向かっている。
本当に、やるのだ。防衛研究所の隣の軍の施設に忍び込んでたまたまオグマのシミュレーターを見つけた。そしてオグマは現在も整備されていて動かせることを知ってしまった。だから、いつかこういう日が来た時の為にずっと練習していたのだ。
ギマリもまさか、私がそんな大それたことをやっているなんて思わなかっただろう。
私が深呼吸して集中しようとしていると、ゴーグルに通信の通知が入った。場所は司令センター……ギマリが起きたようだ。睡眠薬入りのコーヒーを飲ませたから数時間は寝ているはずだったが、二時間ほどで目覚めてしまったらしい。
私は迷いながら通信回線を開いた。
「馬鹿なことはやめろ、リテア!」
きっとそう言うだろうと思っていたことをギマリは言った。そして私は準備していた言葉を返す。
「これ以上奪われたくない。だから、私は戦う」
「何を……何を言ってるんだ! 相手は一国の軍隊だぞ! 同じ大型機動兵器が出てくる! いくらオグマでも単機で勝てる相手じゃない!」
「でも、ギマリだってそのつもりだったんでしょ? ログに残っていたよ、ギマリの試験成績が……」
「それは……!」
シミュレーターにはギマリの戦闘ログが残っていた。私には軍の施設に入るなと言っていたくせに、ギマリは私に隠れてこっそりシミュレーターで練習していたのだ。その目的は、当然私と同じだろう。いつかその時が来たら、ギマリは大型機動兵器に乗って戦うつもりだったのだ。
「君はどこにでも行ける……最早この国にこだわる必要はない! 私とは違うんだ!」
そう。私はどこにでもいける。抗生物質でサリフォアを克服したから。でも、ギマリはどこにも行けない。ギマリの居場所はこの国以外にはない。この国のサリフォアが死ぬ時、ギマリも死ぬのだ。
そして殺された四千万人の人も、どこにも行くことはできない。この国がなくなればその記憶さえ失われる。そんなのはまっぴらだった。
「そうよ、私はどこにでもいける……! だけど選んだのよ! この国で生きることを! たくさんの人が死んで! お母さんもお父さんも死んで! 弟だってどこで死んだのかさえ分からない! もううんざり……何もできずに涙を流すだけなんて、もううんざりなのよ……!」
ギマリから答えはなかった。私を引き留める言葉を探しているのだろうか。それとも、それは無理だと悟ったのだろうか。
「発進シークエンスに入ったから、今更止めることはできない。もう行くよ……」
ギマリの答えを待たずに、私は通信を切った。虫の羽音のような振動がコックピットに満ちている。もう地上まであと少しだった。
「パワー、ミリタリー。全兵装解除。戦術リンク接続。ECM作動開始」
オグマの出力制限が外れる。戦術リンクシステムにより、展開している通信ドローンとのネットワークが構築される。三次元的に再現された戦場がゴーグルに投影される。今はもう真夜中で真っ暗だが、私の目には昼間と変わらぬ風景が見えていた。
敵は戦闘機十機、大型機動兵器一機。地上戦力は無し。燃料気化爆弾で清浄にした後に工兵部隊がやってくるのだろう。私たちの国を片づけるのだ。
敵の戦闘機に動きがあった。国境付近で旋回を続けていたが、針路を北に向けて直進を始めた。つまり、防衛研究所に向かってきている。ようやくこちらの大型機動兵器が動いていることに気付いたらしい。
だが、もう遅い。
オグマはまだエレベーターで上昇中だが、上部は既に地上に出ていて一部の兵装が使用可能だった。
私は六十センチ砲を操作し敵戦闘機群に向けた。弾種、榴弾。距離七十キロ、有効射程だ。
発射スイッチを押せば砲弾は発射される。そうすれば相手は死ぬ可能性がある。戦うという事は殺すという事だ。殺さなければ、殺される。
「……もう後戻りはできない」
戦闘機からの照準波を確認。向こうもこちらを狙っている。だったら、早い者勝ちだ。
私は発射スイッチを押した。シミュレーター通りの軽いスイッチだった。
亜音速で発射された榴弾は緩やかな山なりに戦闘機に向かっていく。もし発射の煙が見えたら戦闘機も回避行動に移ったかもしれないが、七十キロは視程外距離だ。彼らはまだ何も知らない。
砲弾が戦闘機に最接近する。そこで榴弾は起爆し、音速以上の速さで爆炎と破片をまき散らす。食らった戦闘機は何が起こったのかさえ分からなかっただろう。何かが機体を貫き、そして炎の舌にその身を焼かれたのだ。
戦闘機を四機撃墜。残りの戦闘機はブレイクし三々五々方向を変え飛んでいく。密集していないともう同じ手は使えないから、こちらも別の手を使う。
「無人戦闘機射出。敵戦闘機を迎撃せよ」
オグマの上部ハッチが開き、内部から無人戦闘機、シルフを載せたカタパルトがせりあがってくる。電磁カタパルトで一気に加速して発進し、シルフは猛然と敵戦闘機に突っ込んでいく。全部で六機。敵と同数だ。
エレベーターが停止し、離陸準備に入る。
「反重力ドライブ……戦闘出力」
私の声で、オグマの八基の反重力ドライブへの電力供給が増加、斥力照射準備。ドライブ内の事象境界面が安定、エネルギー臨界点に到達。
「離陸開始」
反重力ドライブが緩やかに斥力を下方に照射し、オグマは軋みを上げながら上昇していく。地上高さ、十、二十……百、安定。斥力を一定に保ちつつジェット推進装置を点火。
「行くよ、オグマ。皆の仇を取るんだ……!」
推進力最大、時速六〇〇キロまで加速。眼下の街並みが後方に流れていく。
敵戦闘機群は上方四キロでこちらのシルフと格闘中だった。戦闘AIの判定では状況は五分らしい。群れから二機離脱し降下、パワーダイブ。推力を維持したまま高速でこちらに向かってくる。距離二〇〇〇〇メートル。ミサイル照準波を確認。シルフが追うが、それを更にイ国の戦闘機が追う。数珠つなぎのようになりながら戦域が伸びていく。
距離一〇〇〇〇を切ったところで先頭の二機が中距離ミサイルを発射、フォックス3。標的はオグマだ。
オグマは自動的にECMを最大稼働、ミサイルに対して欺瞞を行う。だがマッハ四のミサイルは正確にオグマを追尾している。回避起動を行えるほどオグマは俊敏ではないため、凌ぐしかない。チャフを展開。照準波が攪乱され、ミサイルは明後日の方へ飛んでいく。
シルフはイ国戦闘機を追うが、追いきれない。ナ国の旧式戦闘機を改良したシルフは二世代前の戦闘機だ。改修と無人化による制限解除により性能は上がっているが、イ国の最新鋭戦闘機には劣る。フォックス4、戦闘機の機関砲がシルフ3を狙う。被弾。双発エンジンの左が停止。一気に速度を落とし、中距離ミサイルの餌食になった。
これで五対六。形勢は不利だ。
敵大型機動兵器は八十キロの距離にまで接近していた。奴と戦う前に戦闘機は叩いておきたい。ミサイル数発程度で沈むほどオグマはやわではないが、無傷であるに越したことはない。
上部六十センチ砲を上部に向け、発射用意。弾種、フレシェット。戦術データリンクを介しシルフ達に命令を伝える。
「戦域を縮小し敵機を密集させよ」
シルフは命令を受け戦術パターンを変更。攻撃よりも防御を重視し、回避しながら敵の機動を制限していく。
強力なミサイル照準波を確認。戦闘機ではなくハデスからだった。人間が受ければ体内の水分が沸騰してしまうほどの強力なレーダー波が照射されている。そしてミサイルの発射を確認。大型の対艦ミサイルだった。マッハ六で接近、約四十秒で到達する。それまでに敵戦闘機を片付けておきたい。
シルフたちは劣勢の中で機敏に動き、敵戦闘機を密集させた。三次元的な位置を確認しタイミングを合わせる。
……今。
オグマの戦闘AIがトリガーを引き、六十センチ砲が発射された。
ほぼ真上に向かって発射されたフレシェット弾は敵に接近しつつ空中で起爆、内部に装填されていたフレシェット、矢のような鉄杭をばら撒く。シルフたちはギリギリでブレイクし、遅れた敵戦闘機軍はフレシェットの嵐の中に巻き込まれる。着弾。
それ単体では撃墜はできないが、鉄杭を呑み込んだタービンは停止し、尾翼やフラップを損傷して機動力が低下する。まだ混乱しているうちに、シルフたちは最大速度で反転しミサイルを発射した。四機撃墜。これで五対二。残る二機は煙を噴きながら回避行動をとるが、殲滅は時間の問題だった。
「ぃよし! と思ったけど対艦ミサイルなんてどうすんのよ!」
着弾まで二十秒。回避はできない。ECMは最大稼働しているが、これもハデスの方が一枚上手で欺瞞しきれない。ミサイルはがぶりとオグマに食らいついている。光学センサーでもそのミサイルの軌跡が確認できた。まっすぐにこちらに向かってくる。
「ええい! 迎撃ミサイル発射! あと六十センチ砲も撃ち方用意! 弾種、徹甲!」
オグマが迎撃ミサイルを二基発射。戦術リンクシステムで敵対艦ミサイルを追跡し、その座標を迎撃ミサイルに送る。十秒後に迎撃成功、対艦ミサイルを破壊する。
そして六十センチ砲がハデスに向けられ砲弾が装填された。戦闘AIが距離と風向を考慮し、コリオリ力による差異も計算に入れ、オグマが私の意思を受け砲弾を発射する。
「撃て!」
徹甲弾が発射された。砲弾は電子妨害を受けない。弾道計算さえ間違わなければ当てることのできる兵器だ。うまく当たれば、この一発でハデスを沈めることも出来る。リテアは光学センサーからの望遠画像を拡大しその瞬間を待った。
「二、一……嘘?! 弾いた?」
ハデス前方に青い立方格子のようなものが展開され、それが障壁となり砲弾を横に逸らした。着弾した山肌は盛大に爆発しているが、ハデスには何の損害もない。
「あれが電磁シールド……チートかよ、くそ……!」
強烈な電荷を空間中に発生させ物理的な障壁とする技術、それが電磁シールドだった。オグマ同様ハデスには搭載されているらしいと噂があったが、実戦に投入されたことが無い為事の真偽が分からなかった。しかし、今判明した。ハデスは電磁シールドを持っている。
「つまり、遠距離での撃ち合いじゃ片がつかないって事か……」
電磁シールドはこちらの主砲である六十センチ砲さえ無効化する。オグマにも搭載されており、恐らく性能は同程度だろう。ハデスにも主砲があるが、使われたとしてもこちらも電磁シールドで防御することが可能だ。主砲で決着をつけられるかもしれないと私は考えていたが、そう甘くはなかった。
ハデスは対艦ミサイルを四基発射した。こちらも再度迎撃ミサイルを発射。互いに接近しながらミサイルを撃ち合い牽制し合う。しかし、どちらも火器管制能力には大差が無いらしく決着がつきそうにはない。
大型機動兵器での戦闘は得てしてそういうものである。遠距離からの攻撃は互いに無効化され、互いに手がない。
彼我の距離が詰まっていく。十キロを切り、五キロ。ハデスはミサイルを撃たなくなった。こちらもミサイル攻撃を中断する。地上戦闘に移行だ。
「オグマ、地上戦闘用意!」
戦闘AIが応答し、機体各所の変形機構が唸りを上げる。機体下部の兵器サイロは下方に進展し脚部となる。そして機体左右部の兵器サイロは回転し、内側から打撃ハンマーが出てくる。レドームは機体中央部にスライドし、機体上部から頭部を模した光学観測機器群がせり出してくる。とても歪だが、人型に変形する。これが機動大型兵器の地上戦闘形態だった。
オグマはプラズマドライブで重量を支えつつ、短い脚を動かして前進する。見た目はハデスも似たり寄ったりで、鈍重そうな機体がゆっくりとこちらに近づいてくる。
「ここから……ここからよ! 絶対に負けない!」
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