零3

「なんと、ばっさり、失恋か?」


「違いますわ!」


「なぜゆえに?」


「お義母様のまねですわ」


あー、写真見たからね。

れんちゃんは、髪の毛を切ってしまった。

ロングヘアでお団子だったのに。今は肩までしかない。

僕の赤ちゃん時代のときの母は、れんちゃんの長さくらい。小さい時に亡くなったから、僕も写真を見てわかるくらい。


「ほー?やるのー」


くそ親父、にやにやしやがって。


「しかし腹も出て、この乳もはちきれそうだのー」


あろうことか触ろうとするのでひねる。


「おい、出てけ」


「ふん、武だけ楽しみおって」


「いや、女の子連れ込んでるの見たんだけど?若い子」


「ふん。また連れ込んでやるからな」


なんだそれは。

出て行ったけど、まじうぜー


「れんちゃん、ごめんね」


「いえ、武…も、触りたくなったのですね」


「うん、だって気になる。…赤ちゃんに紛れて僕もお乳を飲みたいな」


「だめですわっ。武は赤ちゃんではありませんわ」


「ふーん、そー。飲むからね、絶対!」

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