第16話 ヴィシュヌの困惑

ヴィシュヌの頭は真っ白だった。

いったい、何がどうなり・・・


サムはほとんど気絶状態だった為、

ジャンである俺が正気を戻させた。


そして、明かされる事になるのだ。

長であるヴィシュヌすらも知らない事を。


そして、なぜ、知らされず今に至るのかを。


ヴィシュヌ「ゼウス。君は知っていたんだね、きっと。」

ゼウスは頷く。


父に変わり、俺が話す事に。

真実はこうだ。


「それは遥か昔。ヴィシュヌがご本体の「ヴィシュヌ」様より名前、能力等を継承仕立ての頃。新しくグループを結成させるべく天界の神々様は計画をなされていた。


それは、愛の星を追われて行き場のない女神達の居場所とも言い、又溢れる程の愛を基質にもつ、光の彼女達の力を地球へと流す事が目的の1つだった。


グループを結成するのに抜擢されたのが、今の長を務めるヴィシュヌだ。


当時彼は、長になる事に抵抗があり、何度も天界からの話を断ってきた。


そんなヴィシュヌを説得し、ペアとも言う役を引き受けたのが、ゼウスだ。」


ゼウス「初めは私も、説得などと。

と考えていたのだがな。シヴァに頼まれた事がきっかけだ。

私はシヴァの力がグループには必要だと考えていたのでな、何度もグループに入るように話していたんだ。」


ジャン「だが、シヴァは断り続けた。」


ゼウス「そうだ。あいつ、シヴァは、「俺は、中筒にしかつかない。」そう言い張った。

ならば、「グループ同士組み、協力しよう。」となり、シヴァのグループが結成されるのを待つ間、ヴィシュヌ達を補佐する事を決めたのだ。

ヴィシュヌを説得し、補佐する代わりに、シヴァには、どちらのグループにも応援に入るとしたわけだ。」


ヴィシュヌ「そうだったんだね。。。」


ジャン「話はまだある。」


シヴァ「ヴィシュヌの補佐として、天界からの遣いの者が指名された。

それが、レオン夫妻だ。」


レオン「僕と妻は初めから天界の神々より、使命を言い渡されたんだ。

救けた女神達を狙い、奪いに来る連中が必ず現れると。だから、妻がおとりとなり、如何にも自分が女神達の一員だとし、相手の懐に入り込んだ。


僕らの使命とは言え、何故に危険を犯してまでと考えたが。。。


彼女が、、妻は見てきたんだ。

ジャン達の番としての姿を。


まだ、幼いりおを番とし、使命を果たさんとしてきたのを見てきた妻は、

「自分達も番とし、やらなければならない。」そう、僕に言ってきたんだ。」


次々に明かされる事柄に肩を落とす、ヴィシュヌ。


ジャン「最後に。

なぜ、ヴィシュヌが長に抜擢されたのか。なんだが。」


それについては父より直々に話された。

「ヴィシュヌよ。我々がなぜ、そなたを女神達の長に据え置いたかは、

そなたの持つ繊細で細やかな基質と、

柔和であり、また女性の心情をよく理解しているからである。

それは、自身が男女双方の性別の基質を持つ種族の者であるがゆえである。」


ヴィシュヌ「なぜ、あの娘がレオンの妻だと今まで黙ってきたのでしょうか。」


ジャン「それは、ヴィシュヌがまだ長として新米であり、ヴィシュヌ自身が狙われていたからだ。

ゼウス達のグループに守られながら、長として成長できるのを待っていたと言うわけだ。

今は立派な長だな。。。」


ジャンから言われ、全ての事を知り、ヴィシュヌは自分の辿ってきた道を思い返すのだった。。。

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