第54話
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@母 結衣華目線
はぁ、緊張する。
私、湊結衣華は、柄にもなく緊張していた。別に私が何かするわけではないし、普段先生をしている事もあって、いろんな場所にも立ってきたのにだ。
私は、家の中で楽しそうに笑っている結笑と結心を見る。本当に楽しそうに笑っている2人を見ていると心が落ち着く。青葉のことで大変な事もまだあるが、この子たちの笑顔を見ると疲れも乱れた心も整える事ができる。
しかし、逆にこの子たちを思うがゆえ、今日は緊張してしまう。自分の事だとわりかしどうでもいい事が多いから緊張しないんだと思うが、結笑と結心のため、自分達の子どものためには失敗できない。まぁ、失敗する事もないとは思うけど。
青葉のときは少しでも慣れてればいいなって思う。
「おかあさん、めーるきた!」
私が子どもたちをみていると結笑が、メールが来たとスマホを持ってきてくれる。なんていい子なんだろうか。結笑の後ろをついてくるようにして、妹の結心もこっちに来てくれる。
「ありがとう。結笑、結心」
可愛らしい2人共の頭をなでなでしてあげてから、届いたメールを確認する。
『準備できました!結衣華さんさえ良ければ、出発しましょう』
ママ友の碧さんからのメールにはそう書いてある。私はすでに準備していた荷物を再度確認してから、『こちらも大丈夫です。行きましょう』とメールを送り返した。
すると、すぐに碧さんから『外で待ってます!』と返事が返ってくる。それを確認してから、私は結笑、結心、青葉をお父さんに任せて家を出発する。
家の玄関を出てアパートの前まで来るとすでに碧さんが待っていた。
「すみません。待たせましたか?」
「いえいえ、全然です。今日はよろしくお願いします」
「はい、こちらこそです」
私たちは軽く挨拶をした後に私の運転する車で一緒に目的にへと向かう。
「初めてだからなんか緊張しちゃいますよね」
「はい、分かります。詩織さんたちにはなんて事ないって言われたけど、いざとなるとどうも落ち着かなくって」
碧さんとそんな話をしているとすぐに目的地に着いた。そこにはすでに結構な人がいて、グループごとで話しているところもある。
「結構な人がいますね。夫婦で来てるところもあるみたい」
「そうですね。私たちも行きましょう!」
私たちは、今日の会場となる建物の玄関へ入り受付をすます。そして、本会場となる場所に入った。そこには外で見かけた人よりも多くの人が席に座って待っていた。
私たちも空いている席を発見して、そこに碧さんと2人で座った。
しばらくすると今日の司会者らしき人が現れて言った。
「本日は学校説明会にお越しいただきありがとうございます。早速始めさせてもらおうと思います」
〜新入生説明会 1時間前〜
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