第51話


 陽華さんの出産も無事に終わり、お母さんも青葉も陽華さんも椿くんもみんな元気です。そして、みんなが新しい家族がいる日常に慣れて来て2週間ほど経ちました。


 その間、7月に入り本格的に夏に近づいたことで蒸し暑さが増して来ました。今寝ている青葉も少し寝苦しそう。それはお母さんがこまめに汗拭いてあげてるから、一応汗疹とかの心配は無いんだけどね。


 しかも、夜になっても気温が下がりにくくなってて、外は暑い。今日は7月7日の七夕だから星を見に来てるのに少し集中できないな。文字通り、星に願いをの状態なのに。


「あぁ〜、少し曇っちゃって星見えなくなっちゃったね。せっかくこんなとこまで星見に来たのに流れ星ぐらい見たいね」


「そうだね。予測では流れ星も観測できるかもって言ってたし、見えたらいいね」


 お父さんとお母さんが話している。ちなみに今日の星を見に行こうという発案人は、お母さんなので星が見えなくなったことに残念そうにしている。逆に星が見えていたさっきまでは、すごくキラキラした目で星を眺めていた。


 青葉はお母さんに抱かれているけど、お母さんの反応とは真逆で今までずっと寝ている。というか、多分まだ目が見えてないし、星を見えたとしても何にも反応しないんじゃ無いかな。


「結笑、結心。今短冊に願い事書いちゃおっか」


「「かくー!」」


 私たちはお母さんが持って来た短冊に願い事を書く。今思ったんだけど、短冊持って来たのが凄いな。後この短冊どこにつけるんだろ。


「書けたかな?」


「かけた」

「まだ」


「結心は書けたんだね。結笑はもうちょっとかな。まぁ、書けたら車にでも結んどこっか」


「うん!」


 結心が短冊を車に結びにいく。結心何書いたんんだろうな。私ももう少しだからちゃちゃっと書いて結びにいこっと。


「待って〜!」


 私はお父さんを置いて、書き終えた短冊を持ってお母さん達を追いかける。


「来た来た、結笑はここでいい?」


 追いついた時のお母さんの第一声はこれだった。私は理解するのに少し戸惑ったが、お母さんが結心の短冊の隣を指差していることで察して頷いて、お母さんに短冊を渡す。


「よし、結べた。雲も晴れ始めたし結笑も結心もお父さんのところに戻ろうか」


「「うん!!」」


 2人とも短冊を結んでもらってお父さんのところに戻ることにした。お父さんも1人にされて寂しがってることだろうしね。


「「もどってきたよ〜」」


「あぁ、おかえり。もう雲も晴れたしもう少しじゃないかな」


 お父さんの返事があったその時だった。


キラン!


〜星に願いを 1時間前〜

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