第50話


 赤ちゃんも無事産まれて、お母さんも元気で家に帰ってきました。ガラス越しにみていた時に比べゼロ距離で、触れ合えることに喜びを感じている毎日でございます。


「結笑お姉ちゃん。結心お姉ちゃん。次これしよ!」


 あっ、伝えるのを忘れてましたね。今日は家に響華ちゃんがいるんです。なぜって?それは陽華さんの出産が近いからだね。私たちの時はまだ陽華さんも出産が近いから、おじいちゃんとおばあちゃんの家にお世話になったけど、今はお母さんも出産が終わって落ち着いたしね。


 あと、響華ちゃんに遊び相手がいた方がいいってなってそれなら、わたしたちの家がいいということになって泊まっています。


 とは言っても、今日陽華さんの陣痛が始まったみたいなのでまだ1日もお泊まりはしてないんだけど。


 私としては結心と響華ちゃんが一緒に遊んでいるのを見るのは癒しだから、ずっとこの時間が続いてほしいと思う。私が入っては見えないから外から見守っとくのがベストかな。


 あと、結心がお姉ちゃんしてるのを見るのは珍しい。ちゃんと響華ちゃんの意見を聞いたり、気遣いながら遊んでいるのを見ると、青葉が大きくなった時もこんな感じになるのかなって思ったりする。


 私としては少し寂しい気もするけど、それが成長ということなんだろうな。けど、たまには私に甘えたりしてほしいなって思うのだった。


「結笑、結心、響華ちゃん。みんなでお風呂いこっか」


「「「はーい!」」」


 お母さんが私たちに声をかけてくる。それに元気よう返事した私たちは早速お風呂の準備をする。お母さんは自分の準備と並行して青葉の準備もしてる。


 本当お母さんってすごい。私たちのお母さん以外でもいろんなことを常に考えて、2、3個のことを常に並行してやってるんだもん。


 私もいつかあんなふうになれるのかな。


 そして、私たちは青葉入れて5人でお風呂に入る。本当は3人入ればパンパンなお風呂なのだが、私たちがまだまだ小さいため、全員で入っていい感じだ。


 と言っても、青葉はお風呂に浸かるわけにも行かないので、少し大きめのバケツみたいなものにお母さんが浸からせている。


 溺れてもいてないからすごく慎重な手つきで優しく浸からせてあげている。


 私たちはみんなで揃って100まで数える。途中で響華ちゃんがわからなくなっているのが可愛かったた。しかもそれに釣られて、結心まで数えられなくなっていたので、それをみてお母さんと笑った。


 ようやく100数え終わってお風呂を上がる。そして体を拭いている時だった。


「響華ちゃん。今さっき弟ができたって」


〜従兄弟の誕生日 1時間前〜

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