第42.5話


「結笑、結心。あなた達はお姉ちゃんになるんだよ」


 えっ?お姉ちゃんになる?


 私は不思議に思う。私はもうお姉ちゃんだし、結心は私の妹だ。だから、2人ともがお姉ちゃんになるわけがないのに、お母さんはお姉ちゃんになると言った。


 そこで、私は気づいた。お母さんが何か、大切なものに触れるかのようにお腹に手を当てている。これをさっきのお母さんの発言と合わせて考えると、それ即ち、お母さんが妊娠したのだ。


「どうゆうこと?」


 私は、お母さんの発言の意味がわかったが、流石に結心には、分からなかったらしい。だって、お姉ちゃんって言ったら、私しかいないもんね。そりゃ、理解できないわ。


「今日病院に行ってきてね。ちゃんと確認してもらったら、私のお腹の中に赤ちゃんがいる事が分かったの」


「昨日、お母さんから妊娠したかも。なんて、言われた時には凄く驚いたが、今日ではっきりしたからな」


 お母さんが結心に答える。お父さんはそれに自分かの感想を足す。


 お父さんとびっくりしただろう。昨日お母さんに妊娠してるかもって言われて、今日検査。何事も早いのは良い事だが、まだ理解しきれてないところもあるんじゃないかな。


 そんな事より、結心はまだ理解できていないらしい。隣で、うんうん唸っている。これは理解できた時の反応が楽しみですな。まぁ、今の反応も見てて楽しいんだけど。


 私もお母さんの発言を理解して、今も気分が昂っている。だってそうじゃない?今いる妹の結心でさえ、こんなに可愛く思うのに、これがさらに増えるとなると、楽しみしかないじゃん。


 お姉ちゃんになった結心の反応もだし、生まれてくる赤ちゃんも、どんな子なのか気になるし、今からワクワクが止まらないのだ。


 それは、お父さんもお母さんも変わらないらしく、どちらも幸せそうに笑っている。


 これから、お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんが、大きくなって生まれてきた時に、幸せな家庭になってるといいなって思う。今でも、私たちの家庭、家族はいい家族だと思うし、過ごしていて楽しい。


 そりゃ、喧嘩する時だってあるし、嫌な事だってある。だけど、生まれてくる赤ちゃんがこの家族を選んでよかった。ここにしてよかった。思えるようにしたいなって思うのだった。


 私たちは、その日お母さんのおめでた発覚とこれから、元気に育って生まれてきて欲しいと願いを込めて、パーティーを開いた。お父さんがお母さんを普段よりも、気遣っている姿が見えたので、これは現実なんだなって感じる。


 これから、生まれてくるであろう赤ちゃんよ。あなたが選んだ家族は楽しい、幸せな家族ですよ。だから、安心して生まれてきてね。


〜姉になる(予定)お知らせ 1時間〜

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