第40話


 年も明けて、1月1日。元旦でございます。新しい年が始まったのです。ついに、今日から。


 去年と同じように初日の出は見えなかったのがかなり残念だけど、何と今年は、年越しができたのです。んっ?去年って言った方がいいのかな。


 まぁ、どっちでもいいけど。12時まで起きてられたんです!だから、カウントダウンもしたし、年明けすぐに挨拶をすることもできました。ちゃんと結心も起きていたので、家族全員で起きれたね。


 そんなことがあったから、私たちが起きた時には、完全に日は上がってしまっていた。残念。来年はどっちもやりたいね。年越しも初日の出も。


 欲張りだけど、これは頑張ればできる欲張りだからね。無茶ではない。自分の意思が強ければできるね。


 隣でまだ、すやすやと寝ている結心を見ながら思う。いゃ〜、かわいいね本当。どんどん可愛くなっていく。落ち着いた感じの可愛さっていうのかな。


「うぅ〜ん、、、」


 ほっぺをぷにぷにしていると、結心が唸る。このままいけば、もう少しで起きてもおかしくないだろう。


 私は、寝ている結心に悪いと思いながら、ぽってツンツン作戦に切り替える。


つんつん つんつん つんつん


「うぅ〜ん、、、?」


 おうっ!


 半目で目を擦る結心、まじ可愛い。


「おねぇーちゃん?」


 おっと、体を起こした結心が声をかけてくる。


「あさごはん!」


 そう、私はただ結心をからかっていたわけではなく。ちゃんとした理由を持って、結心を起こしていた。


 朝ごはん


 それは、1日を始める上で1番重要になるものだろう。それを今お母さんが作ってくれている。ついでに言うと、さっきからめちゃくちゃ、いい匂いがしております。


 これは、磯部餅かな。


 私は、まだ眠たそうに目をこすっている、結心の手を引っ張って連れていく。これぞ、合法的に妹と手を繋ぐ方法である。2度寝してるのを見るのも可愛いと思うけど、さすがにお母さんに、「結心、起こしてきて」って言われてから結構経ってしまったのだ。


 結果、私たちがもう一度お母さんを見るときには、机の上にでてるお餅の皿がもりもりになっておりました。お母さん、それ絶対4人じゃ食べられないよね。


 しかし、ニコニコしているお母さんには何も言えない。少ししてから、部屋に入ってきたお父さんも、お母さんの顔を見て、少し固まってしまっていた。


 何はともあれ、家族みんなが揃った。ニコニコしていたお母さんが、フッと笑ってからいつもの表情日戻る。どうやら、少し私たちをからかってたみたい。それを見て、私たちは本気じゃなくて、良かったと心底思うのだった。


 私たちは、心機一転、晴れ晴れした気分で料理を前にして、手を合わせる。


「「「いただいます!!」」」


〜いただきます! 1時間前〜

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