第39話
今日は12月30日。今年も後2日となりました。
いゃー。寒いね。本当に寒い。私たちなんてもう着込みすぎて、どっちが本体かわからないもん。まんまる、ぽちゃぽちゃの結心は、見ていて目の保養だ。私の癒しだ。
そんな、当たり前のことは知ってる前提として、今日は祖父母の家に来ております。いつもと違って、お父さんお母さんが、仕事でとかじゃなくだ。
ちゃんと、家族全員でお邪魔させてもらっている。いや、この場合は手伝いに来ているの方が合ってるのかな?
お母さんとおばあちゃんは、餅米をセットしてるし、お父さんとおじいちゃんは、倉庫に臼と杵を取りに行った。
そう、今日はお餅つきをしに来たのだ。おじいちゃんとおばあちゃんは、毎年やっているみたい。ちなみに、去年私たちが食べたのは、祖父母お手製お餅だったみたい。
毎年貰ってるのもなんだからって、私たち家族もお手伝いに来たのだ。まぁ、私たちは何もできずに、ただただ、ぼーっとしてるだけなんだけどね。
そこに、餅米の準備が終わったおばあちゃんが来てくれる。暇そうにしていた私たちに、餅つきに関するお話をしてくれるみたいだ。
前の節分の時もだけど、おばあちゃんは本当によくいろんな事を知ってるから、びっくりする。
今日のお話は、なぜ今日餅つきをするのか、についてだった。なぜって、言われて深く考えたことがないから、答えられないよね。
おばあちゃん曰く、12月28日と12月30日にすることが多いらしい。つまり、今日とか一昨日とかだね。12月31日は(一夜もち)で鏡もちが潰れてしまう。12月の29日は(苦持ち)と呼ばれることがあるから縁起が悪いとされてるんだって。
でも、12月29日は福をもたらすって、言われて逆に縁起がいいって考えるところもあるみたい。同じ日なのに不思議だよね。
「お母さん、餅米炊けたよ。これどうすればいいんだっけ?」
そんな話をしていると、お母さんの声がする。どうやら、炊いていた餅米が炊けたようだ。臼と杵は、とっくにお父さんたちが運び終わって、洗って準備もできている。
でも、餅つきって家の中で、できないから寒いよね。おばあちゃんとおじいちゃんの家には、餅つき機があるらしいのに、わざわざ私たちが来るからって、そんなに気合い入れなくても。
「熱っ、熱っ、熱つつつ」
お母さんが、ひょこひょこしながら餅米を持ってくる。そして、それを臼の中に入れた。
それは、おじいちゃんによって、杵で丁寧に粒が潰されていく。すごく慣れた手つきだ。おじいちゃんは一通り、潰し終わったところで私たちを呼ぶ。
最初に私が杵を持った。小さいのをお父さんと一緒にだ。
そして、それを臼にある餅に向かって振りかぶった。
ぺったん!
〜ぺったんこ! 1時間前〜
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