第32話
「うぅー、、、」
私が起きて日付を見た時には、すでに去年になってしまっていた。年越しまで起きていられずに寝てしまったのだ。今年こそはと思っていたのに、割と早い段階で眠ってしまっていたらしく、今は6時ぐらいです。
なんか、目も覚めてしまい二度寝もできないな。家族の中で私しか起きておらず、部屋の中はとても静かだ。どうやらお母さんもお父さんも年越し後に眠ってしまったらしい。
みんな起きる気配がないので、取り敢えず移動してテレビを見ることにする。起きないそうにそっと動いて、音量は小さめで。
部屋が暗いので、部屋の中はテレビの光で照らされている。元旦といっても、まだ朝が早いのでテレビもニュースなどの落ち着いた番組しかやってない。
つまらないが、それしか見るものが無いので、仕方なく見ていた。すると、外国の年越しの映像が流れる。
そこで私は考える。もし、日本で年越した後に日本を出発して、世界各地で年越しをしたら、めちゃくちゃ年越しができるのではないか?まぁ、日本に帰ってきたらどうなっているのか分からないが。
そんな事を考えながらボーっとテレビを見ている事30分。お母さんのスマホが鳴る。正確にはバイブ音だが。
テレビを見ていても聞こえてくる感じでブーブー、いっていたのに結局起きていたのはお母さんだけだった。
「あれ、結笑もう起きてるの?早いね。もしや結笑も初日の出を見るのですか」
私はお母さんの言葉にハッとする。
そうだ、私は生まれてこのかた初日の出を見れた事はない。いつも、起きると既に日が上がってしまっている。
「そだよー」
本当は、目が覚めてしまうまただけだが、初日の出も見たかったのであながち間違っていない、はずだ、、、。
「そっかー、後ちょっとのはずだから楽しみにしとこうね。そっかー、結笑もはじめての初日の出かぁ。起きれて凄いね」
私はお母さんに褒められて少し照れくさい。だって、本当はただ目が覚めてしまっただけなのだから。
「「うぅーーん」」
その時、2人の声が重なって聞こえる。どうやらお父さんと結心の声が被ったようだ。
さっきのバイブ音で起きなかったのに声には反応するのか。
「「おはようぁー」」
私はそのまま2人とも二度寝するもんだと思っていたが、2人とも起きてきてのでびっくりだ。挨拶の最後に2人揃ってあくびしてるのが面白い。
家族全員が早起きで、初日の出を見るなんてはじめてだ。みんなで窓の外を眺めることにする。
暗かった空がだんだんと、明るくなってくる。そして、地平線から少しずつ太陽が顔を出すのだった。
〜初日の出 1時間前〜
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