3年目

第28話


 今日も穏やかな日常を過ごしております。先月3歳になりましたが、特に変わったこともなく一ヶ月が経ちました。桜も散って、いい感じに木々が青々としております。


 今日は日曜日で、家族みんなが休みですがこれといってすることもなく、みんなでゴロゴロとして過ごしています。


 当たり前ですが、私たちも例外ではなく、結心も揃ってダラダラしております。お父さんは新聞を読み終わったのかスマホを眺めてます。遊んでもらいたいけど声もかけられないし、お母さんはレシピ本と、かれこれ30分ぐらい睨めっこしてます。


 今日の晩ご飯は、お母さん初挑戦の料理なのかな?なんて考える。昼ごはんは普通に蕎麦だった。まだ、暑くもないし寒くのないのでちょうどいい感じに美味しく食べれた。


 お父さんもお母さんも声をかけられるような状態でないので、結局結心と遊ぶことにする。


 リズム当てゲームは午前中にやったので、他のゲームをして遊ぶことにする。


・・・ ・・・ ・・・


  思いつかない。日曜日の午後は頭の機能も低下するらしい。結心と2人でしばらく考えて結局2人でボール遊びをすることにした。


 室内でも安心な柔らかいボールだ。まぁ、今の私たちが本気で投げてもダメージはないんだけどね。


 2人でボールを使ってドッジボールみたいなものをする。2人しかいないので、いくら当たってもセーフだ。ただ、少し痛いのと当たったと言う事実が残るだけの遊びである。


 でも、これが案外楽しくて時間を忘れて遊んでしまう。私が結心にボールを当てたところでお母さんが話しかけてきた。


「今日のおやつはクッキーにしようと思うけど何味がいいですかー?」


 どうやら、クッキーの味を決めていいらしい。さっき見ていたレシピ本はこれだったのかな?


 私たちは思い思いの味をお母さんにリクエストする。


「「ちょこ」」

「抹茶」


 私たちは一緒だったが、これまで静かだったお父さんもリクエストをしていた。抜け目のない人だと思う。


 お母さんは、私たちのリクエストを聞いてクッキーを作り始めてくれる。


 その間に私たちがボール遊びを再開するとクッキーができたようだ。


 えっ?早くない。と思ったが時計を見ると結構経っていて驚いた。本当に時間を忘れてしまう。魔性のボールである。


 お母さんがクッキーの乗った皿を持ってきてくれた瞬間から争いが始まる。


 すごいスピードで、皿の上のクッキーがなくなっていき、ついに最後の一枚となった。


 私は結心に取られないように素早く手を伸ばす。すると、それを阻止するように結心が私の手をはたき落とした。


〜姉妹喧嘩 1時間前〜

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る