第26話


 年も明けて2月に入りました。年越しはやっぱり眠ってしまって初日の出は、いまだに見えていません。


 私たちは今、お店に買い物に来ています。晩御飯の買い物ですね。メンバーはおばあちゃんと私と結心の3人です。今日は平日なのでお母さんとお父さんは仕事だからね。


 おばあちゃんがお母さんから、晩御飯の食材メールをもらってそれを買いにきました。


「えっと、ネギに豆腐、豚肉に大根っと。今日は豚汁かしらね。結笑ちゃんと結心ちゃんは」


 おばあちゃんが食材をカゴの中に入れていく中、わたしたちはお菓子コーナーに一直線。


「あら、、あら、ちょっと待って」


 買い物を一時停止して、私たちのお菓子選択になる。


 うめぇ棒も良いな、ソッちゃんいかとかも良いな。そんなふうに駄菓子を見る私と違い、結心の方は食玩のお菓子や可愛いおまけ付きのお菓子を見ている。


 やっぱり双子と言ってもいつも同じじゃないんだな。と、思う最近でございます。


 そんなところで、私たちのお菓子が決まり買い物カゴにイン。おばあちゃんに甘えさせてもらう。おばあちゃんも優しいから買ってくれるしね。


 そうして、買い物が終わる。私たち3人で車まで運ぶことが難しかったので、カートでの運搬だ。私たちは身長的に押すことができないので、おばあちゃんが押してくれている。それに私たちがついていく感じだ。


 無事に車に食材を乗せ終えて家に帰る。お母さん達が家に帰っているようなので、おばあちゃんが私たちのアパートまで送ってくれるようだ。


 帰りの車の中でおばあちゃんが昔話をしてくれる。ある女の人が赤ん坊を背負って山を越える話だった。


 女の人は、急がなくてはいけなくて、日が暮れると鬼が出ると言う山を越えることにした。山の頂上付近で何かの気配を感じ、急いで山を降りたという。山を降りて安心して後ろを振り返ると赤ん坊の頭がなかったとか、、、、。


 いや、怖っ!


 おばあちゃん!なんて話してるの!結心が泣きそうになってるじゃん。普段はこんな事しないはずのおばあちゃんが、私達を怖がらせてくる。


 私は割と平気だけど、結心がびくついてしまっている。どうしようかな、と考えているとアパートの前まで着いたようだ。


 アパートの前にはお母さんがいてくれて、おばあちゃんから食材を受け取ってくれる。その後おばあちゃんと別れて、部屋まで向かう。


 お母さん家のドアを開けて中に入る。私たちもそれに着いて中に入る。私たちは普段とは違う視線を感じた。おばあちゃんの話があったからだろうか?


 不安になりながら、リビングに入ると足元に豆、正面に鬼がいた。


〜鬼襲来 1時間前〜

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る