第24.5話
「ええっ!妊娠してる!?」
私たちは、お母さんの大きな声で目を覚ましたのだった。
「えっ、えっ?いつからなの?私が言わない様にしていたお腹の膨らみはまさか、、、」
「あっ、やっぱりお姉ちゃん気づいてたんだ。そうだよ、太ってるんじゃなくて、ここに赤ちゃんがいるの」
私は納得した。玄関で抱きつこうとした時や遊んでる時に響さんがちゃんと見ていた理由が、これのことだったのだと。
「ちなみに、妊娠が分かったのは5月の半ぐらいかな。そこからずっと秘密にしてたの。気づいてもらえるぐらい成長するまで」
「もしかして、お母さんにも伝えてないの?」
「いやいや、流石に分かった時に伝えてるよ。伝えてないのは、お姉ちゃんとお義兄さんだけ」
陽華さん、こんな事をドッキリにしたらいけないよ。しかも、親じゃなくて姉にするって。陽華さん、恐ろしい子。
色々とお母さんに報告した後は、今度はこれまでの経緯や、お母さんの質問タイムに入った。まぁ、質問タイムと言っても、これまでと特に違いはないんだけどね。
「性別はわかってるの?」
「うん、昨日ちょうど診察の日でみてくれたよ。女の子だって、お姉ちゃん達と一緒だね」
「もう、陽華もお母さんになるのか。響さんとも仲良くしているようでよかった。あっ、名前は決まったの?」
「まだだよ。産まれるまで時間もあるし、ゆっくりかんがえようって響くんと決めたの」
「響くんはどう?陽華に迷惑かけられてない?」
「いやいや、全然ですよ。僕はやれることが無いので、出来るだけ落ち着いた生活をしてもらえるようにしてます」
「本当に響くん、今家のことほとんどやってくれて、私がすることないぐらいだよ。これが本当に出産間際になったら、どれだけ過保護になることやら心配なの」
陽華さんの心配するベクトルが違うと思うのは、私だけだろうか?こんな質問は置いといて、お母さんの質問が怒涛の勢いである。
結局最後までその勢いは続き、私たちの遊ぶ時間がなくなってしまった。これからはゆっくりしてもらわないといけないので、遊べる機会も減るだろう。もしかしたら、次会うのは赤ちゃんと一緒かもなんで思っている。
「そろそろ、帰らないといけないね。ごめんね。なんか、私びっくりしちゃって凄く質問しちゃって。次があったらゆっくり話聞かせてね」
「うん。まぁ、私が隠してたのが悪いし、ゆっくりさせる時間があったら良いね。もしかしたら次は、赤ちゃんがいるかもしれないしね」
「そうなったら、元気な赤ちゃんを見れる事を期待してる。これからもっと大変になると思うけど頑張ってね」
「心配してくれてありがとう!お姉ちゃん。お義兄さんにも伝えといてね」
「とてもびっくりすると思うわ。じゃあ、またね。気をつけて帰ってね」
「うん、バイバイ!お姉ちゃん、結笑ちゃん、結心ちゃん」
陽華さん達はそう言って帰って行ったのだった。
その後、お父さんは家に帰ってきてからその事実を聞かされ、凄く驚くと同時に祝福のメールを送っていた。
〜陽華さんの妊娠報告 1時間〜
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