第23.5話
そして、ゆっくりおでこに手を当てて言ったと。
「あぁー。結心熱があるね」
マジか!
違和感の正体は、これだったのか。朝から元気がなかったもの、ピアノのメロディークイズが一問で終わったりと今日は、結心らしくなかった理由がわかりスッキリだ。
しかし、事態はすっきりしない。お母さんは体温計を持ってきて熱を計らす。ここで少し無言の時間が経過する。私の家には、十数秒で体温が正確に測れる!なんてものはないので、体温計が鳴るまでは時間がかかるのだ。
ピピピ、ピピピ、ピピピ。
あっ、鳴った。
お母さんが結心から体温計をとって、そこに表示されている体温をみる。そこで、結心の体温が発覚する。
「38度1分か、、、。結構あるね」
38度もあったのか。それでも、倒れずにいつも通りにしようとしていた結心に感心しながらも、そんな事しなくても正直に言って欲しかった、という気持ちも湧き上がってくる。
流石に、結心も自分の体調不良に気づけないなんて事は無いだろう。なんて事を考えていると、お母さんは病院に行く様だ。
土曜日だから病院も空いている筈だ。、、、、空いてるよね?まぁ、空いてなくても緊急外来に行けるよね。記憶が曖昧なためはっきりしたことが分からない。
結局、家にあたしだけ残していくのも心配ならしく、私もお母さんと結心と一緒に行く事になった。今の体だと喉乾いた時だって、飲み水すら入れられない可能性があるしね。
私たちは、病院へ向かって出発する。ちゃんと結心のお母さん、もちろん私もマスクなどは装備済みである。結心の場合、それに加えてモコモコ装備と冷えピタをしている。
お母さんも久しぶりな事にちょっとあたふたしている。1歳ぐらいの時はよく体調を崩していたけど、ここ最近は健康体そのものだしね。
道路に出る時に少し危なくなりながら、出発した私たちは、無事病院につき結心を診察してもらう。
普通に風邪だという事で、インフルではなかった。よかった、よかった。
という事で風邪薬をもらい家に帰る。私の可愛い可愛い妹が風邪をひいてしまった。それに私は気づかなかった。その事に気づけなくて落ち込んでいた。すると、結心が赤くなった顔でこっちを向いて、微笑んでくれる。
(大丈夫だよ)
私には、こう言っている様に聞こえた。家に帰ってからも私は、結心に寄り添い続ける。
早く元気になってね。
数日後、無事結心が復活し、私だダウンしたのは当たり前の話だった。
(ちなみに、結心に優しくしてもらいました)
〜結心の風邪発覚 1時間〜
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