第19話


 3月になりました。お母さんは職場のことで忙しくしています。まぁ、年度末だしね。先生だから、やらなきゃいけない事や引き継ぎとかもあると思うしね。


 今日はお父さんが休みでございます。だけど、朝から忙しなく動いています。車に行ったと思ったら大きな箱を抱えて帰ってきて、家の中を掃除したりしています。


 ちょっと前は、お母さんと通帳見ながら真剣そうに話してたし、引っ越しでもするのだろうか?


 しかし、それならお母さんが仕事に出でいることが疑問だし、前がどうかは知らないが私たちがここにきてから2年も経っていない。そんな部屋を引っ越す理由でなんだろう?


はっ!まさか、転勤なのかな?でも、それならわざわざ家に何か物も入った段ボールを持ってくる理由がわからない。


 どれだけ考えても答えは出なかったので直接お父さんに聞いてみるこのにした。


「なーに、してるぅの?」

「してるぅの?」


 最近、結心が私の真似してじゃべってくれることが増えた。嬉しいし、かわいい。


「まだ、秘密。もう少ししてからのお楽しみかな」


 そんな答えが返ってきた。教えてくれてもいいだろうにおとうさんは、けちんぼだ。


 やることがなくなったので、結心と遊ぶことにする。最近は音の出るおもちゃが楽しいらしく、よく一緒に遊んでいる。今は、牛肉マンたちのしゃべるおもちゃで遊んでいる。


 牛肉マンは、ある焼き肉世界にやってきたベジタブルたちをお肉たちがやっつけるという番組だ。なぜか、子どもたちに人気があるらしく流行っている。


「ビーフ1000倍 牛肉マン! ミートビーフパーンチ」


「サーーラダーー」


 ちなみにベジタブルたちのやられ台詞が「サーラダー」である。やられる側なのにどうかと思うが結構人気があるらしい。


 2人、牛肉マンたちで遊んでいるとお腹が鳴った。私たちは結構遊んでいたらしい。今は、11時半ぐらいだろうか、お父さんも今は昼ごはんの準備をしてくれているらしい。


 私たちが人形さんたちを片付けて机を見るとおにぎりが並んでいた。それを3人でたべる。


 そうしていると、お父さんが急に喋り出した。


「結笑と結心に見せたいものがあるんだ」


 なんだろうか?今日朝から準備してたものかな。結構時間かかってたけどそんなに簡単に見せてもいいのだろうか?


 お母さんが帰ってくる夕方でもいい気がするがお父さんは、今私たちに見てもらいたいらしい。


 そして、片付けたスペースにダンポールを持ってきて、陽気にドラムロールを口見出した。


「ダララララララララララッ、、ダン!」


 そう言ってお父さんが箱から出したのは、雛人形だった。


〜雛人形との出会い 1時間前〜

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