第18.5話


「ついたかな?はいはーい。今行きます」


「こんばんはー。おねぇーちゃん。頼まれてたもの買ってきたよー。後お邪魔しまーす」


 えっ、おねぇーちゃん?


 結心の方を見てもポカンとしているだけだった。


 お母さんが声の主を連れて部屋に帰ってくる。そこで気づく、この人はお母さんの妹で私たちの叔母さんなのだと。だって、とても見てるんだもん。多分2、3歳ぐらいしか違わないだろう。


「ひさしぶりー。結笑ゆえちゃん、結心ゆいちゃん。私のこと覚えてるかなぁー?」


 そんなことを言いながら、叔母さんが抱きついてくる。暖かくいい匂いがする。この人は多分優しい人だ。


「覚えてる訳ないでしょ。生後1週間ぐらいのことなんだから」


「そっかー。残念だね。でも、これからしっかり覚えて貰えばいいや!」


 思い出した!あの名前披露の時に病室にいた人だ。2組の祖母の人数よりは多いことは覚えていたが、しっかりとは分からなかったので、さっきのお母さんの言葉で納得した。


「今日は、泊まっていくんでしょ」


「うん。今日は、たっぷり双子ちゃんと遊んで明日初詣したら帰るよ」


「置いてきた彼氏さんの方は大丈夫なの?」


 この人まだ結婚してなかったんだ。だけど、会話からして同棲してるっぽいから結婚も近いのかな?


「大丈夫、大丈夫!あっちが実家に帰るのが先だったんだから」


陽華ひばなさんは一緒にお邪魔にならなくてよかったの?」


 お父さんが私も気になっていた質問をする。こうゆう時って一緒に実家に挨拶に行くもんじゃないの?


「挨拶は去年行ってますし、毎年はいいかなって。向こうもそんなことを気にする人たちじゃないですし」


「ようなんだね。じゃあ、ゆっくりしていってね」


「はい!」


 そう言い終わるが早いか、陽華さんは私たちを撫でまくる。不思議と不快感がなく気持ちがいい。お母さんの妹だからだろうか?


「ご飯にするよ。こっちにきて」


 そんなことを考えているとお母さんに呼ばれる。そして、家族4人に陽華さんを加えた。5人でご飯を食べた。


 その後は、陽華さんとたくさん遊んで、気がつくと年が明けていた。そして、みんなで初詣に行った。混んでいたが陽華さんがいることによって迷子になることはなかった。


「また、あしょぼうね」

「あしょぼうね」


 私たちが、陽華さんに次会う約束をすると笑顔で手を振りながら、


「たっぷり、時間とって遊ぼうねぇー」


 と、言いながら帰っていった。

 少し寂しかったが、次会うときはもっと自分の意思を言葉で伝えれるようにしようと、思うのだった。


〜年末 叔母さんとの再会1時間〜

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