第16.5話


「お母さーん、お父さーん。来たよー」


「あら、いらっしゃい。結衣華ゆいか


「あれ、お父さんは?」


「部屋で新聞読んでるわ」


 どうやら、お母さんの実家に私たちは、きたらしい。玄関で靴を脱いで今に入るとそこには見覚えのある顔があった。


「お父さんおはよう。今日から結絵と結心をよろくしくね」


 ん?私たちはお爺ちゃんとお婆ちゃんにこれからお世話になるのか?


 お母さんの発言を疑問に思っていると、お母さん達が話し始めた。


「今日からまた、お仕事がんばってね。結絵ちゃんと結心ちゃんはまかせときんさい」


「あぁ、わしらに任せとけばいいから、安心して仕事してくるんだよ」


「わかった。ありがとうね。私も一年も休みを貰ってたから、ちゃんとその分は追いついて生徒たちに迷惑かけないようにするよ」


 どうやら、お母さんがお仕事に復帰するらしい。そして、その間私たちは祖父母の家に預けられるらしい。最近お母さんが家で勉強していたのは、なまった頭を戻すためだったのだろう。

 

 お仕事、頑張ってほしいものだ。


「結絵、結心。今日からお世話になるお爺ちゃんとお婆ちゃんに挨拶して」


 よろしくお願いしますとは言えないので精一杯の言葉とお辞儀をした。


よぉーお」よろしく

「おーーあ」


「あら、2人とも可愛いわね。ちゃんと挨拶できるなんてすごいわ!」


 お婆ちゃんは、すでに私たちにメロメロだ。お爺ちゃんを見てもそわそわしているのが分かるので私たちと早く遊びたいのだろう。それがちゃんと言えないのは少し可愛いなと思う。


「じゃあ、結絵と結心のことよろくしね。多分、6時ぐらいには帰るようにするから」


「わかったわ、気をつけていくのよ」


「行ってきます」


 そう言ってお母さんはお仕事へ出掛けていった。


 思い出しのだが、私がお爺ちゃんとお婆ちゃんに見覚えがあったのは、名前の披露の時にいたからだろう。はっきり見てえいなかったが、多分あの場にいたのだ。


 そして、お母さんが家を出てからお爺ちゃんに甘やかされ始めた。お母さんがいる前だと少し恥ずかしかったのだろう。

 

 静かにしていたのが嘘かのように、おもちゃや、絵本を持ってきてくれて、とても楽しい時間が過ぎた。ご飯もお爺ちゃんが食べさせてくれた。それを見ていたお婆ちゃんの顔は、とても優しい顔をしていた。


 時間が過ぎ、気づくと私たちは家にいた。どうやら遊び疲れて寝てしまっていたらしい。ちゃんとお礼が言いたかったが、明日も会えるしその時に言えればいいかなぁ。と思いながら、私はまた、眠りにつくのだった。


〜祖父、祖母の家へ 1時間〜

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