第15.5話
「どーじょ」
「あーとっ」
んっ?今、ありがとうって言おうとしなかったか?
よし、再チャレンジだ。
「
あっ、やば。私が言えなかった。まあ、伝わってくれるでしょ。
「あーとー」
うん、伝わった。これはありがとうでしょ。嬉しいな。結心との初会話出来たのがすごいうれしい。きっかけはおもちゃパワーだったけど、これからも会話できるといいな。
なんて、思っていました。すると、隣からまだ、答えが出ていない質問がされたのです。
「ねぇーーあっ」
今、ねぇーちゃんって言ったでしょ!絶対言ったよね。ねぇーちゃんって。結心が私を呼んでくれた。嬉しいな、嬉しいな。
こっちからも、返したい。結心がねぇーちゃんなら、私は結心でいいだろう。
「
言えない。悲しい。なんか、違う人が出てきてしまっている。妹が私を呼んでくれているのに妹を呼べない悲しさがすごい。再チャレンジ。
「ゆぅーーい」
よし、言えたでしょ。さぁ、結心の反応は?
めっちゃいい笑顔。こっちみて、いい笑顔。言ってよかっな。これから、もっと完璧に言えるように特訓していこう。そして、なに?お姉ちゃん。と呼ばれる未来を目指そうと思ったのだった。
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@
私は、すごく驚いていた。トイレから帰ってくると、娘達がおもちゃで遊んでいたのでお父さんに見せようと動画を撮っていた。すると、結心のおもちゃが結笑の方へ転がって行ったのだ。
私が、とってあげようかと思っていると、結笑がとってあげていた。しかも、どうぞ。なんて言おうとしているのが分かる。
すごい。会話しようとしてる。と、そこまでで驚いているのに、さらに結心がそれに対して、ありがとう。なんて、返しているではないか。娘達が会話しているのが動画に収められて今日の私はすごくついていた。
この後も、結心がお姉ちゃんと呼んでいたり、結笑が結心と呼んでいたりと驚かされた。舌が回らないのではっきりとは言えていないがちゃんと会話している。
これは、お父さんに絶対に見せてあげよう。そして、反応を楽しもう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
@
僕が帰ってくるなり、妻に動画を見せられた。ただ、娘達が遊んでいる動画だ。なんでこんなものを僕に見せるのだろう?まぁ、可愛いことには変わりないが。
そんなことを考えていた時だった。娘達が会話をし始めたのだった。なんだこれは!とても、可愛いじゃないか!こんなものを動画に収めてくれた、妻の運に感謝だ。
その後、妻と僕はその動画をループしながら、夜遅くまで会話を弾ませたのだった。
〜妹とおしゃべり 1時間〜
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