第14.5話
「結笑、結心、一歳の誕生日おめでとう!」
なんと、今日4月10日は私たちの誕生日だったらしい。私たちも生まれてから1年が経ったんだね。長いような気もするし、短かったような気もするし、いろんな事があった一年だったな。なんて、1人で考えていると、お父さんがチャッカマンとロウソクをお母さんに手渡していた。
「これ、頼まれていたもの。買い忘れるってよっぽどじゃないか?」
「ケーキとプレゼント買っていい気になってたから、完全に忘れてたのごめん」
「まぁ、買えたから良かったよ。部屋に戻ろうか」
そう言って、お父さんがリビングに入る。そこで私はびっくりした。すごく豪華に飾り付けされているのだ。バルーンの文字でメッセージが書いてあったり、机の上が可愛く飾り付けられていたりと、すごく嬉しい気持ちになる。
これを私たちが、散歩に行っている間に準備していたお母さんはすごいと思う。そして、こんなにお祝いされると、とても嬉しい気持ちでいっぱいになる。結心も同じなようで、すごくいい笑顔をしている。
「ふふっ、いい笑顔ね。頑張って飾り付けしてよかった」
「飾り付けありがとな。あと、この笑顔は写真取っとこう」
と言いながら、お父さんは私たちの写真を撮りまくっている。文の前後で全く関係ない話をしていることには気づいてきるのだろうか?あと、もう恥ずかしくなってきたのでやめてください。
「もう、撮り過ぎよ。これから撮るメモリが無くなったらどうするの」
お母さんや、注意するとこが違うような気がするよ。そんなことは置いといて、撮影会が終わったようだ。落ち着いたので、ご飯を食べることになった。
「料理は食べられないけど今日はとっておきがあるからねぇ」
とっておきってなんだろうか?それを考えるがわからない。普通にご飯は食べられないが(まだ、離乳食なので)何が出でくるんだろうか。
そんなことを考えていると、お母さん達は一通り食べ終わったようだ。すると、お母さんがキッチンに行き何かを持ってきた。
「今日のメインディッシュでーす!」
なんと、ケーキだ。二つの小さな小さなケーキの上にご丁寧に【1】のロウソクが立っている。だけど。私たちはだべれないんでしょ。なんて思っていたら、それに答えるようにお母さんが驚くべきことを口にした。
「これは、なんと食べれます!」
マジか!嬉しい。
私は興奮気味だ。ロウソクに火をつけて吹き消す(お父さんが)そして、写真会といつもの流れの後、いよいよ実食。
うん!美味しい!
本当に美味しかった。この世に生を受けてはじめてのケーキ、一生忘れないだろう。
その後はプレゼントをもらった。2人お揃いの服と靴、それに、髪留めをもらった。全部可愛くて嬉しかった。早くつけて散歩に行きたいな、なんて思っていた時だった。
「まーまー」
〜初めての誕生日 1時間前〜
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