第11.5話


「すみません。お待たせしました。じゃあ、いきましょうか。今日の目的地、大型の図書館へ」


 なんと、今日はママ友とお出かけの第2弾だったようだ。第1弾の時は、人見知りを発動してしまった私だが、もうあんな失態はしない!そして、今日を楽しむために睡眠時間も削るぞ、、、


・・・ ・・・ ・・・


 すみません、無理でした。

 私が起きた時には、もう目的地に着いてしまってました。今の状態は受付をしている状態です。あっ、ちなみに私たちはベビーカーに乗っています。


「受付は終了しました。では、ごゆっくりと本をお楽しみ下さい」


 受付の人が何やらテンプレートみたい言葉で私たちを送ってくれる。


玲奈れな:「じゃあ、お母さん行ってくるね!」


麗子れいこ:「帰る時間になったらメールするからちゃんと確認してね」


玲奈れな:「わかってるって」


 玲奈ちゃんは返事をしながら行ってしまった。


麗子れいこ:「あの子、本当に本のことになると、途端にバカになっちゃうのよね」


結衣華ゆいか:「好きな事があるっていい事だと思いますけどねぇ、やっぱり行き過ぎるとバカになっちゃうものなんですかねぇ」


 おいおい、お母さんやそんな、よその子をバカなんて言っていいのか?と思って麗子さんを見ると笑っているので良しとしよう。


麗子:「じゃあ、私たちも行きましょうか」


結衣華:「はい、わかりました」


 私たちはキッズスペースに移動を開始した。お母さんにベビーカーを押されながら図書館を見てみるが本当に大きい。建物自体は2階分で、いろんな種類の本が読めるようになっている。


 キッズスペースの近くは、絵本コーナーになっており小さな子供がすぐに取りに行けるようになっていた。


結衣華:「この子たちにおすすめの本とか、ありますか?絆留ほたるちゃんが気に入ってた本とか」


絆留:「私、もう覚えてない」


麗子:「絆留は、これとかこんなのも読んでたわね。玲奈の方は、どんな本を読んでも嬉しそうにしてたから、逆に覚えてないわ」


 そう言って麗子さんは数冊の本を私たちの目の前に差し出してきた。(ちなみに、キッズスペースに着いたときにベビーカーからは降ろしてもらいました。)


結衣華:「そうなんですか。じゃあ、とりあえずこれを読み聞かせてあげることにします」


絆留:「私が読み聞かせてあげたい!」


 お母さんが本を開きかけたそのとき、絆留ちゃんが読み聞かせを代わりたいと言い出してきた。


結衣華:「じゃあ、お願いしてもいいかな?」


絆留:「うん!」


 お母さんがお願いすると、元気な返事をして私たちに読み聞かせを始めてくれた。その間にお母さんたちは、自分達の読む本やほかに良さそうな本がないか、探しに行くらしい。


・・・


絆留:「めでたし、めでたし」


 絆留ちゃんの読み聞かせが終わった。五冊ほどの本を、休憩をはさみながらしてくれた。絆留ちゃんの読み聞かせは、とてもうまく聞いていてすごく面白かった。


麗子:「いい時間ね。玲奈を呼んで帰りましょうか。結衣華さんもそれでいい?帰りも運転をお願いすることになるけど」


結衣華:「はい、大丈夫です。今日はありがとうございました。結笑ゆえ結心ゆいも絆留ちゃんにとてもお世話になって」


絆留:「私、読み聞かせするの楽しかったよ!結笑ちゃんと結心ちゃんの反応を見るのも楽しかったし、ちょっとだけど見分けられるようになったし」


麗子:「本人がこう言ってるしいいんじゃないかしら、それにしても少しでも見分けられるようになったのは、すごいわね」


絆留:「すごいでしよ」


 本当にすごいと思う。最初は間違えることも多かったけど、最後らへんは、ほとんど合っていた。そんな話をしていると玲奈ちゃんが帰ってきた。


玲奈:「本当楽しかった。本がたくさんあるっていいね。ここに住みたいぐらい」


麗子:「ねっ、バカになってるでしょ」


結衣華:「ははは、本当ですね」


玲奈:「ちょっと、バカって何言ってんの?」


麗子:「ごめん、なんでもないから」


 本当に今日は、楽しかった。みんなもこの様子を見るに楽しかったようなので、ママ友とお出かけ第2回も大成功だろう。


 次はどこに行くんだろうかなと考えていると眠くなってきた。まぁ、仕方ないだろう。ずっと起きていたんだから。


 私は、次回への期待を大きくしながら眠りについたのだった。


〜ママ友とお出かけ第2回 1時間〜

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