第8話
はい、こんばんは。
ゴロン、ゴロンっと、はい。最近は寝返りが打てるようになりました。そして、人に支えられなくてもお座りができるようになりました。嬉しい限りでございます。
ゴロン、ゴロン、
ゴロン、ゴロン、
できることが、増えたと言ってまだまだ少ないんです。暇です。意味もなくゴロゴロしてしまうぐらいに。
ちなみに妹の
無心でゴロゴロしていると、いつからかこの行為自体が楽しくなってくるので、不思議でございます。
笑えてきます。
なぜでしょう?
あれ?お母さん、今日のご飯なんかいつもより豪華じゃありませんか?
変なことを考えながら、寝返りを打っていたところ、そんなことに私は気づきました。いつもは、ご飯と味噌汁、そしておかず2品ぐらいなのに今日は5品ぐらいあります。
さらに、私は気づきました。お母さんが今作っているものがおかずではないことに。
あれは、イチゴにブドウ?他にも沢山のフルーツが台所に出してあります。それを丁寧にお母さんがカットしていきます。切り終えたものを冷蔵庫に戻してから、スマホで何かを確認してます。
「えっと、もう少しで帰ってきてしまうのね。あとは、あれを用意をして、フルーツを乗せるぐらいかな」
んっ?あれ?なんだろう。気になる単語が多くあった気がするが、長くそれを記憶に止めることができない。
「お皿を出して、料理を盛りつけてっと。よし、じゃあ、メインを準備しますか」
お母さんは、そう言ってさっき冷蔵庫に入れたフルーツを取り出した。そして、それを何かに盛りつけ始める。綺麗に盛りつけられていくフルーツは、一種の芸術のようだ。
「よし、出来た」
どうやら、完成したらしい。
母が作っていたのは、ケーキのようだ。ケーキなんてくるれるのすごいよね。私は作ったことなんてないから尊敬する。
あっ、前世の話ね。流石に今の状態じゃ、ケーキを作るどころか歩けもしないからね。
そんなことは、置いといて。私は、わかってしまったかもしれない。今日のご飯の品数がいつもより豪華で多いこと、ケーキがあること。そしてお母さんが言っていたあれの正体も。
私たちは、生まれてから1年経っていないので違う。そして、お母さんが自分のためにここまでするとは、思えない。すると答えは、1つしかないだろう。
そう、それは!
「ただいまー」
「お誕生日おめでとう。お父さん」
〜お父さんお誕生日会1時間前〜
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