第8話


 はい、こんばんは。結笑ゆえでございます。生まれてから約6ヶ月が経過いたしました。やれることも増えて嬉しい限りでございます。

 ゴロン、ゴロンっと、はい。最近は寝返りが打てるようになりました。そして、人に支えられなくてもお座りができるようになりました。嬉しい限りでございます。

 

 ゴロン、ゴロン、

 ゴロン、ゴロン、


 できることが、増えたと言ってまだまだ少ないんです。暇です。意味もなくゴロゴロしてしまうぐらいに。

 ちなみに妹の結心ゆいもできるようになったので、2人でゴロゴロしております。

 無心でゴロゴロしていると、いつからかこの行為自体が楽しくなってくるので、不思議でございます。


「んぁ!あきゃ!きゃは」あはははは

 笑えてきます。


 なぜでしょう?


 あれ?お母さん、今日のご飯なんかいつもより豪華じゃありませんか?


 変なことを考えながら、寝返りを打っていたところ、そんなことに私は気づきました。いつもは、ご飯と味噌汁、そしておかず2品ぐらいなのに今日は5品ぐらいあります。


 さらに、私は気づきました。お母さんが今作っているものがおかずではないことに。

 

 あれは、イチゴにブドウ?他にも沢山のフルーツが台所に出してあります。それを丁寧にお母さんがカットしていきます。切り終えたものを冷蔵庫に戻してから、スマホで何かを確認してます。


 「えっと、もう少しで帰ってきてしまうのね。あとは、を用意をして、フルーツを乗せるぐらいかな」


 んっ??なんだろう。気になる単語が多くあった気がするが、長くそれを記憶に止めることができない。


 「お皿を出して、料理を盛りつけてっと。よし、じゃあ、メインを準備しますか」


 お母さんは、そう言ってさっき冷蔵庫に入れたフルーツを取り出した。そして、それを何かに盛りつけ始める。綺麗に盛りつけられていくフルーツは、一種の芸術のようだ。


「よし、出来た」


 どうやら、完成したらしい。


 母が作っていたのは、ケーキのようだ。ケーキなんてくるれるのすごいよね。私は作ったことなんてないから尊敬する。

 あっ、前世の話ね。流石に今の状態じゃ、ケーキを作るどころか歩けもしないからね。


 そんなことは、置いといて。私は、わかってしまったかもしれない。今日のご飯の品数がいつもより豪華で多いこと、ケーキがあること。そしてお母さんが言っていたの正体も。


 私たちは、生まれてから1年経っていないので違う。そして、お母さんが自分のためにここまでするとは、思えない。すると答えは、1つしかないだろう。


 そう、それは!


「ただいまー」


「お誕生日おめでとう。お父さん」


「うーあーー」おめでとーう


〜お父さんお誕生日会1時間前〜

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