第6.5話 前編

「おじゃましまーす」

「こんにちは」

「失礼しますぅ」


 お母さんがドアを開けると、挨拶とともに、3人の女性が家の中に入ってきた。


「どうぞどうぞ、暑い中よくきてくれました。お茶を入れるので椅子にでも座っといてください」


「ありがとう」


 3人の女性がそれぞれ椅子に座る。そこにお茶を入れたコップを持った、お母さんがキッチンから戻ってきた。


「これ、どうぞ。冷蔵庫に入れていたので冷えてると思います。こっちのお菓子もよければどうぞ」


「お気遣いありがとうございますぅ」


「あっ!これ、私の好きなやつだ。ありがたくいただきます。」


「今回は部屋に呼んでくださってありがとうございます。お菓子やお茶もありがたく頂きます」


「いえいえ、詩織しおりさんも、あおさんも、麗子れいこさんも今日は、来てくださってありがとうございます」


麗子:「そんな、ご近所付き合いは大切なことですから、こちらこそですよ」


碧:「私は、同じくらいの子がいる人と話せる機会を作ってくれてありがたいと思ってます!」


詩織:「私は、うちの子も同じ歳だからこれから関わることも増えると思うのぉ、だからぁ、仲良くさせてもらいたくてぇ」


 どうやら、同じアパートに住むご近所さんらしい。私にははじめてのことなので、わかりません。お休みなさい!、、、


・・・ ・・・ ・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


@母 結衣華ゆいか目線


 あぁ、緊張する。

 今日は、同じアパートで知り合ったママさんたちとの交流会を開いている。朝からちゃんと掃除して、お茶もちゃんと冷えてるものを出してっと。

 何せ初めてのとこなの。

 あっ、この人たちの紹介を忘れていたね。

 今日来てくれているのは、3人。

 

 まず、1人目は、

 青山 麗子あおやまれいこさん。この中で、35歳と1番年長でしっかりしておられる。3人のお子さんがいるらしい。けど、まだ会ったことがないのでいつか会って見たいと思ってる。


 そして2人目、

 猫塚 碧ねこづかあおさん。麗子れいこさんとは、逆にこの中で23歳と1番若い。最近このアパートに引っ越してきた新人さん。結笑と結心と同じ0歳の娘がいる。とても明るい性格をしていてかわいわしい人。


最後、3人目、

朝田 詩織あさだしおりさん。私の4つ上の29歳。男兄弟がいる。弟くんの方はチラッと見たことがある。弟君も結笑と結心と同じ0歳の赤ちゃんだ。おっとりとした性格でたまに何をするかわからない。


 あれ?誰に紹介してるのかな?今、こんな紹介必要ないし、誰も聞いてないのに不思議なこともあるのもだと思う。


麗子:「結衣華さん、どうかしたの?」


 変なことを考えていると、ぼーっと、してしまったらしい。


結衣華:「すみません、大丈夫です」


詩織:「今日は、いつにもまして暑いわねぇ、8月に入って一気に気温が上がってつらいわぁ。散歩にも行きづらいしねぇ」


碧:「そうですよね!熱中症とかも心配だし、 この時期に外に出るのはつらいですよね」


 楽しい!こんな話ができるのは、はじめてだ。私と同じように思っている人がこんなにいるなんて!


結衣華:「やっぱり、水分の量とかもすごい量ですもんね。自分と子どもの分を持つと」


碧、詩織:「そうだよねぇ」


 ママさん会談は、こうして盛り上がっていくのであった。


〜ご近所さんとの交流1時間目〜

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