第5.5話
私ははじめて妹の顔をしっかりと見つめた。
そして、
率直な感想だった。とてもかわいい顔をしていた。赤ちゃんなので丸く、ぷくぷくしているのが
これは私の容姿も可愛いのではないかと期待してしまうレベルだ。将来美人姉妹なんて言われたりして、なんてことを考えていると、
「あーうー」
結心から返事が返ってきたではないか、さっきみたいな幻聴ではなく、こっちを見て言っている。何を言っているのかはわからないが、心の中でこう変換しておこう。
はい、完璧。
いいわ、妹に褒めてもらう嬉しさ。自分で変換したにしてもこんなに、グッとくるものなんだね。
そして、結心を見ると、なんと笑っているではないか。まだ、笑い声は出でいないものの微笑む程度に笑っている。
なんと!これはまた違った可愛さがあるではないか。見れば見るほど可愛く見えるなんてことがあって良いのか?
まぁ、言っても伝わらないないだろうがやっぱ伝えておきたくて口に出しておいた。すると、目の前におもちゃが差し出される。
「これで遊びたいのでちゅかー、結笑ちゃん」
「こっちではないのか?」
どうやらおもちゃで遊びたいと勘違いされたらしい。だけど、おもちゃに罪はない。お母さんに抱き抱えられた状態で、お母さんの持っているおもちゃを取ろうとする。
「ほら、結心ちゃんはこっちが良いんです」
「そうか」
と、お父さんがうなだれている。
しかし、よく見ると結心が手を伸ばしているではないか。
そう声を出すと、お父さんはこっちを見た。すると、下にある結心の小ちゃな手が見えたらしい。
「おおー、結心はこっちが良いらしいぞ」
嬉しそうなお父さん。そう言って、おもちゃを結心に手渡す。手渡した側も手渡された側もどちらもとても嬉しそうだ。
「うーあー」
ガチャンガチャン ゴロゴロ ガラガラ
シャンシャン チリンチリン ゴン!
あっ、やば。
2人で楽しく遊んでいたら、あやまって、おもちゃを落としてしまった。
「落としちゃったかー。はいはい、拾いますからね」
「まだ、しっかり握れないからなぁ。いつか手を繋いで歩くときは、しっかり握ってやらないとな」
ゴン!
「なんだ、結心のほうもか」
どうやら結心も落としたらしい。色んな意味でやる事が似ているのかな。
私たちは拾ってもらったおもちゃでまた、遊び始める。
そして私は、遊びながら一言、口に出した。
〜姉妹顔合わせ1時間〜
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