第5話


 きょろ、きょろ、、、

 

 おおー、目が動かせる、周りが見えるって素晴らしい。


 休日のある日。私、結笑ゆえは感動していた。

 なんと周りを好きに見えるようになったのだ。これまでは、音や感覚、ぼんやりとした感じの中でいろんなことを考えていたけど、これではっきり周りがみえる。

 そして、さらに、


 「うーうーあー!」声が出せるようになった!


 どうだ!すごいだろ。


 これでも私たちは、生まれて2ヶ月が経過した。長いようであっという間だった。まぁ、と言ってもほとんどベットの上から動いていないんだけどね、

 そんな事は置いといて、喋れるようになったことや、少し動けるようになったことをふまえ、両親がおもちゃを買ってくれました。いろんな音がするおもちゃです。

 いやいや、私は赤ちゃんといっても精神年齢が高いからこんなも、、、なんて考えていた時期もありました。


ごめんなさい、すごく面白かったです。


 なんだろうね、あの感じ。転がしたり、触ったりするだけで音がするのがすごく楽しいの、びっくりした。こんなに楽しいものなんだってことに。すっかりハマってしまいました。


ゴロゴロ、シャリシャリ、カランカラン


ゴロゴロ、シャリシャリ、カランカラン


 ん?

 なんだか音が重なって聞こえるような気がするのは気のせいだろうか?そう思っていると、


結笑ゆえ結心ゆいも同じおもちゃで遊んでるの?仲が良いね」


 なんて言うお母さんの言葉が聞こえた。

 はっ、そうか隣には私の妹がいるのだ。そして同じ遊びを同じタイミングでしてなたらしい。今も妹の結心は遊びやめている。


これからも仲良くしていこうな、妹よ。


よろしく、おねえちゃん。


 はっ!今のは幻聴か?

 妹からの返事があったように感じるのだが。すごく見てみたい。見てみたいのに、体を思ったように動かせずにむしゃくしゃしていると、急に体をベットから持ち上げられた。


「よし、じゃあ2人で遊んでもらおう」


 えっ、2人で遊ぶ?


「お父さーん、ちょっときて」


「どうしたんだ、そんな急に声をかけてきて、びっくりするじゃないか」


「ごめん、結笑と結心がおんなじおもちゃで遊んでいるの見たら一緒に遊んでる所を見たくなって」


「それは、とてもみたいな」


 どうやらお父さんは暇だったらしい。お母さんの話を聞くとすぐにこっちに来た。そして、隣のベットにいる結心を抱き抱えた。


「よし、じゃあ2人で遊んでもらおう」


 そう言ってお父さんとお母さんは対面するように私たちを抱き抱えたまま座った。

 そして、私ははじめて妹の顔をしっかりと見つめた。


〜姉妹顔合わせ1時間前〜

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