第4.5話
「さあ、外の世界に出発します」
母のこの一言から私たちのはじめての散歩が開始された。
まずは、玄関をぐぐり抜けて、エレベーターに乗る。私たち、
チーン
1階に着いたらしい。閉鎖的な空間からの解放である。結構エレベーターは狭かった。アパートからでで、本格的な散歩の始まりだ。
よし、元気に散歩だ!
・・・
すみません。歩けません。
まぁ、最初から歩けるはずもなくベビーカーに乗っております。二人乗りのやつ。
私たちは双子だから1人用のやつでは、当たり前だけど乗れないのです。ですから母が大きなベビーカーを押してくれています。先ほどのエレベーターが狭く感じたのも多分これのせいですね。
ゴロゴロ ゴロゴロ ゴロゴロ
暇です。ものすごく暇です。だって結局家でやっていることと、変わりないんだもの。強いて言うなら、良い感じに日の光が当たって気持ちいいことですね、、、スゥ、
・・・ ・・・ ・・・
・・・ ・・・ ・・・
ふぁーあ、おはようございます。寝ておりました。あれ?どこまで今の状況説明したっけ?まぁ、いっか。覚えてないし。日の光はいいですね。やっぱりすごく癒されま、、、
・・・ ・・・ ・・・
はっ!いかん。このままだと私の居眠り実況で「・・・」だらけになってしまう。
はい、ということで気を引き締めてやっていこうと思います。
今は平日の午後、人通りも少なくお散歩日和といえるでしょう。
「良い感じに暖かいなぁ、すごくお散歩日和でよかったねー。
なんと母も同じことを考えていたようだ。こんな日ならいつまでも散歩していられるなぁ(自分は歩かないけど)などと考えていると、
「ピピピ ピピピ ピピピ」
とアラームが鳴った。
「よし、じゃあ帰宅しようか」
と、言いながら母がアラームを止める。
どうやら、はじめてのお散歩は終了らしい。長かったようで短いお散歩だった。
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「結衣華、どうだった。今日の散歩は」
「何も問題なく終わったよ。すごく良い天気でお散歩日和だった。結笑も結心もすごく気持ちよさそうに寝てた。」
「そうか、よかったな。これからも気をつけて行ってくるんだよ」
「わかってるって。あと、その結衣華っていうの子どもの前ではやめてこれからは、お母さんって呼んでほしいな。一心さんのことはお父さんって呼ぶから」
「そうだな。これから結笑たちが言葉を覚えるときに自分達の名前だとそれが定着しちゃうかもしれないしな」
「じゃあ、これからもよろしくね。お父さん」
「ああ、よろしく。お母さん」
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〜はじめての散歩1時間〜
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