第3.5話
「別に大した事はしてないよ、じゃあ帰ろうか湊家へ、家族が増えてはじめての帰宅だ」
「ただいまー」 by結衣華(母)
ただいまーー! by結笑(私)
はい。はじめての自宅でございます。ここが私のMy HOMEなんだね。
しゃべれないのが悔しかったので英語にしてみました。どう、できる女アピール。
えっ、まだ早いって、いやいや、女の子の成長は、早いものですよ。
なんて茶番に1人で興じていると、知ってか知らずか、親がMy HOMEを案内してくれるらしい。
「ここがお風呂で、ここがトイレ、ここがキッチン、そして寝室」
いやー、あっさりしてるねー。今のは父、一心さんの案内だったんだけど、すごくさっぱりあっさりしてたね。夏に食べる冷やし中華みたいな感じだったね。まだ、食べれないけど、、、。
まだ母組はトイレの説明してるよ。ほら、すごく楽しそうだよ。と言う目で見ていると父は察してくれたのか、母のところに連れて行ってくれた。
「久しぶりだな、こうやって家で話すのは」
「そうだね、結局1週間ちょっと家にいなかったからね」
「1週間は、長かった。1人で過ごす夜はすごく寂しかったよ。これからは2人でこの子たちのめんどうをみていこうね」
お気づきだろうか。
私は最初、私の思いを察してくれたのだと思っていたが、これはただ父が、母と会話したかっただけであった。
少しでもありがとう、父。と思った気持ちを返してほしいね。
しかし、あっさりとした案内の割によく見てみると、部屋は私たち赤ちゃんが生活しやすそうなもので溢れていた。ベビーベットはもちろんのこと、スポンジマットが床一面に敷いてあったり、角があるような場所にはスポンジのようなものでカバーされている。
よし、いっちょやってみるか。
そう思うとおもいっきり泣いてみた。
「おぎゃーー」
すると、父は、すごくびっくりした後、すぐに優しい顔になってゆっくり揺らしてくれました。
QED.証明完了。
じつはいい父なんだなぁと、改めて思いました。
しかし、これまでの扱いが変わるはずもなく、、、、
その後の案内も、父組は淡白ですぐに終わりました。逆に母組は楽しそうに案内を続けていました。
うらやましかった・・・・
〜はじめての家帰省1時間〜
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