全滅

 すべてが終わってしまった。

 宇宙に佇む、巨大な墓標。

 静寂の星だった。

 昔は生活があった。様々な生物が生き、生命のサイクルがあった。

 それらは段々と減っていき、次第に人工的な疑似的なサイクルと化して、ごまかしにごまかしを加えて、結果的に全滅した。

 とどめの一撃はあっただろうが、自滅に等しい世界を作ってしまったのは、生物界の頂点に立っていた者たち自身だった。

 力を持ちすぎ、力に溺れ、そうした末の終わりだ。

 滅びたくて滅んだわけではない。

 しかし、結果が全てである。

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